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アフリカ音楽 アフリカおんがく African music

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アフリカ音楽
アフリカおんがく
African music

北部はアラビア音楽の領域に含まれるため,一般にサハラ砂漠以南に分布する音楽をいう。多様な形態をもち,社会生活との結びつきが強く,狩猟,農耕,生誕,成人式,結婚,医術,戦闘,葬儀などに際して,舞踊とともに活用される。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アフリカ音楽
あふりかおんがく

アフリカ音楽という単一的で明確に識別可能な音現象が存在するわけではない。たとえば、大部分がイスラム音楽文化の影響下にある北アフリカの音楽やエチオピアキリスト教会典礼音楽と、サハラ砂漠以南のいわゆる「黒いアフリカ」の音楽伝統との間には、長く相互交流が行われ、互いに影響を及ぼしあってきたにせよ、音楽的慣習のいくつかの側面に顕著な相違が認められる。ここではとくにサハラ以南の音楽伝統に限定して扱うことにするが、その伝統もまた、過去において個別の政治的、文化的単位として機能した多くの部族社会によって担われているがゆえに、独自の音楽的規範に基づく多様な音楽様式を示している。たとえば、音楽素材については、全音階的七音音階が相対的に目立ち、声楽では概して平均律音程に近いものが多いとはいえ、音数、音域、音程のいずれも一般化することはできない。また音楽運用の機会についても、儀礼、祭祀(さいし)、宴会、労働、娯楽など、生活との緊密な結び付きの下で多岐にわたり、その機能も、神話、伝説、教訓、時事的話題の伝達、権力者の風刺や賛美、訴訟、治療、雨乞(あまご)いなどさまざまである。そこで、そうした音楽的多様性を考慮に入れながらも、一つの音楽文化としてグループ化しうるような、「黒いアフリカ」の音楽の技法、構造、機能、演奏様式における顕著な特徴を、抽出、概括することにする。
 アフリカには実に多種多様な楽器が存在するが、その用法においては、多くの楽器がパーカッション効果を優先させている。これは、木琴やサンザ(ムビラ)といった体鳴楽器や、太鼓などの膜鳴楽器はもちろんのこと、ホルンやフルートなどの気鳴楽器や、楽弓、フィドル、リュート、チター、ハープなど弦鳴楽器にもあてはまる。たとえば気鳴楽器では、1人の奏者が1音ずつ担当して、2~3人のグループで1本の旋律を表出するホケット技法が発達していることや、弦鳴楽器では擦奏よりもむしろ打奏や摘奏が多くみられることなどがその現れである。パーカッション効果はまた多くの場合、複雑なリズム構造とも関連する。「メトロノーム的感覚」とよばれる、同一テンポや規則的な拍を厳密に保持する傾向は、多様なリズムやシンコペーションを生み出すための基礎となり、数人の奏者および歌い手がそれぞれ異なるリズムやアクセントを表出しながら、全体として一定のテンポにのり、ポリリズムやポリメトリックを現象させる。たとえばヘミオラ・リズムとよばれる2拍子と3拍子の重複は、西アフリカおよび中部アフリカの多くのポリリズムの基本的要素となっている。
 これに関連する音楽構造上、技法上の特徴としては、多音性が重要である。これは、複数で行う歌唱や器楽、およびそれらの組合せによる場合には、ポリフォニー(広義)とよばれる構造として現れる。とくに歌唱の場合は、平行音程(3~5度が多い)やドローンが多く用いられ、楽器が使用される場合には、対位法的手法やオスティナートが用いられることが多い。このポリフォニーにおいて重視されるのは、垂直方向の音程関係ではなく、むしろ各演奏者の表出音がそれぞれ等しい価値をもって同時に流れる、水平方向の独立性であると考えられている。多音性はまた、異なる音質をもつ音を同時に鳴り響かせたり、一つの楽器にさまざまな音質や音高をもたせることにも現れている。たとえば歌唱にはしばしば手拍子が伴うが、これは単にタイム・マーカーとして機能するだけでなく、肉声とは対照的な音質を提供することによって、音のぶつかり合いを楽しむものとも解釈される。楽器についていえば、アフリカに遍在する多種のがらがらや鈴は、異なる音質をもつものが対(つい)で用いられることが多く、また割れ目太鼓(スリットドラム)は打奏する場所によって異なるピッチを表出することができる。さらにサンザや木琴には、「雑音」を生み出す数珠(じゅず)玉や共鳴筒が取り付けられている場合が多い。こうした楽器を演奏することによって、さまざまな音が同時に表出され、複雑な多音世界がつくりあげられるのである。
 音楽の機能上の特徴としては、太鼓、割れ目太鼓、ホルン、フルート、オカリナ、木琴などによるメッセージの伝達がある。このうち、割れ目太鼓やホルンの表出音をモールス信号的に組み合わせるやり方は、アフリカ以外の地域にもみられるが、ことば(音高関係が意味の区別にとって重要な音調言語)の音高や時価をそのまま楽器に模倣させる方法(たとえばトーキング・ドラム)は、アフリカ特有のものといえる。こうした演奏を支える様式上の特徴として、即興演奏、および集団歌唱における応唱(リーダー対グループ)や交唱(グループ対グループ)といった交互の呼びかけ、応答形式があげられる。いずれも、アフリカの多くの楽式構造が、短いモチーフないしはフレーズの反復と変奏から成り立っていることに基づくものである。
 以上述べたアフリカ音楽の特徴の多くは、新大陸への移住を余儀なくされたアフリカ人奴隷によっても保持され、ヨーロッパ音楽との混交を通じ、アフロ・アメリカ音楽として多様な展開をみせている。またアフリカにおいても、伝統音楽の様式に基づく新たな創作活動が盛んに行われるようになった。[山田陽一]

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世界大百科事典内のアフリカ音楽の言及

【アフリカ】より

…アフリカは面積3030万km2,人口7億2036万(1996),面積ではアジアに次ぐ世界第2の大陸である。赤道をはさんで同心円状に,熱帯雨林,サバンナ,砂漠,地中海気候帯と多様な自然をもっている。サハラ砂漠をはさんで,北は西アジア・地中海世界とひとつづきのハム・セム系の文化をもつ白人(コーカソイド)が支配的な白人アフリカ,南は,ピグミーやコイサン(サン,コイ・コイン)の非黒人先住民と,おそらく北西部から移住拡散した黒人(ニグロイド)の世界,すなわち黒人アフリカである。…

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