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アベ・マリア Ave Maria

翻訳|Ave Maria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アベ・マリア
Ave Maria

ローマ・カトリックの祈祷文で,『ルカによる福音書』1章 28の大天使ガブリエル祝詞と同 42の洗礼者ヨハネの母エリザベトの祝詞に由来する。 15世紀に「罪人たるわれらのために,いまも臨終のときも祈りたまえ。アーメン」が付加された。祈祷文に作曲された多くの音楽作品のほか,詩人が手を加えた歌詞による独唱歌曲 (シューベルト) ,合唱曲 (メンデルスゾーン) などがある。

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百科事典マイペディアの解説

アベ・マリア

ラテン語で〈めでたし,マリア〉の意。カトリック教会の主要な祈祷(きとう)文の一つ。《天使祝詞》とも。処女マリアに対する大天使ガブリエルの祝詞,エリサベツの応対の祝詞(ともに《ルカによる福音書》より),聖母に対する祈願(15世紀作)の3部よりなる。
→関連項目ロザリオ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アベ・マリア
あべまりあ
Ave Maria

カトリック教会の祈祷(きとう)文で、「天使祝詞」とよばれる。主の祈り、栄唱とともに重要視され、仕事や食事の前後などに祈る。「めでたし聖寵(せいちょう)満ち満てるマリア、主御身(おんみ)とともにまします。御身は女のうちにて祝せられ、御(ご)胎内の御(おん)子イエズスも祝せられ給(たも)う(〔1〕)。天主の御母聖マリア、罪人(つみびと)なるわれらのために、いまも臨終のときも祈り給(たま)え。アーメン(〔2〕)」が全文である。〔1〕は天使の挨拶(あいさつ)とエルサレムの祭司ザカリアの妻エリザベトの祝福の引用(「ルカ伝福音(ふくいん)書」1章の28、42)と修正からなり、〔2〕は教会が追加した希願文から構成されている。起源は4世紀で、聖ヤコブの典礼に表れているが、その後4回の補充を経て17世紀初期に現在の形式に整った。1198年のパリ教会会議で「アベ・マリア」を祈ることが信徒の義務と規定された。Aveの語義は、ブルガータ訳聖書の「めでたしマリア、聖寵満ち満てるもの」Ave Maria gratia plena(「ルカ伝福音書」1章の28)のラテン語に由来し、動詞avreの命令形。「ようこそ」「いらっしゃい」「さようなら」などの意味をもち、ローマ時代の日中の挨拶のことばで、原義は「幸福である」「健康である」と解され、英語のfarewell(「ごきげんよう」「さようなら」)に対応する。
 この祈祷文が信者の生活に定着してゆく過程で、絵画ではジョットらの『受胎告知』のモチーフとなり、音楽では名曲『アベ・マリア』が生まれた。合唱曲ではベルディとブラームス、独唱曲ではグノーの作品が有名で、シューベルトの曲は祈りとは異質なスコットの創作詩『湖上の美人』の一節を歌詞としたものである。
 母性的原理としてのマリア信仰は厳密な教義では認められないが、「アベ・マリア」はマリアへの尊敬と甘えを強める一方で、信者の日常の祈りの内容を限定化させている。[川又志朗]

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