ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アヤラ」の意味・わかりやすい解説
アヤラ
Ayala, Francisco
[没]2009.11.3. マドリード
スペインの小説家,社会学者。1929年マドリード大学法学部を卒業,1929~30年ドイツに留学,1931年マドリード大学で法学博士号を取得。1933年から母校で教鞭をとったが,スペイン内乱勃発と同時にアルゼンチン,次いでプエルトリコに亡命,1949年同地で文芸誌『塔』La Torreを創刊した。1950年プエルトリコ大学,1958年以降はアメリカ合衆国で教鞭をとった。代表的な作品は,内乱を扱った『子羊の頭』La cabeza de cordero(1949),ラテンアメリカのある独裁国を鋭く風刺した『犬の死』Muertes de perro(1958)。ほかに『大衆社会における作家』El escritor en la sociedad de masas(1955),『体験と創造』Experiencia e invención(1960)などの評論や,短編集『歓喜の園』El jardín de las delicias(1971),回顧録 "Recuerdos y olvidos"(2005)がある。1991年セルバンテス賞を受賞。
アヤラ
Ayala, Balthazar
[没]1584.9.1. アールスト
スペインの法学者。オランダがスペイン王制の支配のもとにあったアントウェルペンに生れ,スペインに対するオランダの独立戦争にあたってフェリペ2世の派遣したスペイン軍の最高法律顧問として従軍。 1582年に出版された『戦争の法と義務および軍隊の規律について』 De jure et officiis bellicis et disciplina militariの著書は,正戦の問題を含む戦争法 (→戦時国際法 ) を論じ,また軍隊の規律,現実の軍事作戦行動なども述べている。正戦の概念を国家間の武力闘争に限定し,反乱軍に対して戦争法を適用する必要のないことを強調した。
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