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アラニン alanine

翻訳|alanine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アラニン
alanine

(1) α-アミノプロピオン酸 化学式 CH3CH(NH2)COOH ,略号 Ala 。普通はアラニンといえばこの物質をさす。アミノ酸の一種で,L 体は多くの蛋白質にその構成成分として含まれ,ムラサキウマゴヤシ (マメ科) 中には遊離状態で含まれている。L 体の融点 297℃ (分解) ,DL 体の融点 293℃ (分解) 。 (2) β-アミノプロピオン酸 β-アラニンともいう。化学式 H2NCH2CH2COOH 。融点 200℃。パントテン酸,カルノシン,アンセリンなどの構成アミノ酸で,茶の葉,マメ科植物の根粒,ブタ,イヌ,ウシの大脳組織中に存在し,生物学上重要なアミノ酸である。

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栄養・生化学辞典の解説

アラニン

 C3H7NO2 (mw89.09).

 可欠アミノ酸の一つ.ピルビン酸がアミノ化された形であることから,エネルギー代謝とアミノ酸代謝を連結する鍵となるアミノ酸.例えば,骨格筋から肝臓へ窒素を運搬する場合,グルコースが酸化されてピルビン酸となり,それがアミノ化されてアラニンとなって骨格筋から放出される.肝臓では,アミノ基が転移してピルビン酸となり,グルコースが糖新生経路で再生されて骨格筋へ運ばれるというグルコース-アラニンサイクルの概念も提出されている.

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

アラニン【alanine】

アミノ酸の一種で、非必須アミノ酸。広くたんぱく質に普遍的に含まれ、肝臓のエネルギー源として重要な役割をもつ。旨みと甘味をもち、他の旨み成分との相乗効果によって旨みが増強されるほか、肝機能の改善効果、下痢によって失われた水分補給、脂肪燃焼効果、皮膚更新の促進などの作用をもつ。

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大辞林 第三版の解説

アラニン【alanine】

タンパク質構成アミノ酸の一。すべてのタンパク質に豊富に含まれる。生体内でピルビン酸から合成され、トリプトファンの代謝過程でも生じる。異性体はタンパク質は構成しないが、パントテン酸や補酵素などの成分をなす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アラニン
あらにん
alanine

アミノ酸の一つ。略号はAlaまたはA。α(アルファ)-アラニンの化学式はCH3CH(NH2)COOHで、分子量89.09。天然に発見される以前に、ドイツの有機化学者ストレッカーAdolph Friedrich Ludwig Strecker(1822―1871)が1850年にアセトアルデヒドから合成し、アルデヒドaldehydeの最初の2文字をとってalanineと名づけた。L-アラニンはタンパク質の構成成分で、とくに絹フィブロインでは全アミノ酸の27%含まれている。L-アラニンは絹フィブロインの加水分解物から分離精製される。遊離の状態ではムラサキウマゴヤシに存在する。人間にとっては非必須(ひひっす)アミノ酸である。生体内ではピルビン酸から合成され、このピルビン酸を経て、TCA(トリカルボン酸)回路に通ずる。分解点はL体が297℃、D体が293℃。水に溶けやすく、アルコールには溶けにくい。
 β(ベータ)-アラニンの化学式はNH2CH2CH2COOHで、分子量89.09。タンパク質中にはない。パントテン酸、カルノシン(β-アラニル-L-ヒスチジン。種々の動物の骨格筋に存在する)、アンセリン(N-β-アラニル-1-メチル-L-ヒスチジン。各種の動物や魚類の筋肉中に存在する)、補酵素Aの構成成分として存在するほか、マメ科植物の根粒(こんりゅう)やイヌ、ブタ、ウシなどの大脳に遊離の状態で存在し、生物学上重要なアミノ酸である。分解点196℃。水に非常に溶けやすく、アルコールには溶けにくい。[降旗千恵]
『厚生省薬務局監修『医師・歯科医師・薬剤師のための医薬品服薬指導情報集(5)』(1996・日本薬剤師研修センター、薬業時報社発売) ▽東野一弥・山本章編『代謝疾患3 糖質・アミノ酸代謝異常』(1996・中山書店) ▽松尾収二監修、前川芳明編『臨床検査ディクショナリー』(1998・メディカ出版)』

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