アルチュセール

デジタル大辞泉 「アルチュセール」の意味・読み・例文・類語

アルチュセール(Louis Althusser)

[1918~1990]フランス哲学者マルクス主義理論を構造主義的にとらえなおし、斬新な理論構築を企てた。著「よみがえマルクス」「資本論を読む」。

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精選版 日本国語大辞典 「アルチュセール」の意味・読み・例文・類語

アルチュセール

  1. ( Louis Althusser ルイ━ ) フランスの哲学者。マルクス主義理論を構造主義的にとらえなおした。著書「甦るマルクス」「資本論を読む」。(一九一八‐九〇

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百科事典マイペディア 「アルチュセール」の意味・わかりやすい解説

アルチュセール

フランスの哲学者。アルジェリア生れ。エコール・ノルマル・シュペリウール(高等師範学校)卒,同校講師。マルクス主義の構造主義的再評価を目ざし,《資本論を読む》(E.バリバールとの共著,1965年),《マルクスのために》(1965年)を発表,〈認識論的切断〉〈重層的決定〉といった概念を用いて俗流マルクス主義の経済一元論の克服を図った。1980年精神錯乱をきたし妻を殺害,収監された。
→関連項目イデオロギーバシュラールフーコー

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改訂新版 世界大百科事典 「アルチュセール」の意味・わかりやすい解説

アルチュセール
Louis Althusser
生没年:1918-90

フランスの哲学者。1948年以来エコール・ノルマル・シュペリウールの講師となり,また共産党員となる。スターリン批判以後のマルクス主義の多元化の潮流なかで,バシュラールらの科学認識論の伝統をひきつぎつつ,マルクス思想の構造論的再理解を試み,構造主義的マルクス主義者として60年代以降の思想的大革新の旗手の一人となった。80年に精神に異常をきたし,妻を絞殺して精神病院に収容された。主著は《資本論を読む》(1965)など。
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世界大百科事典(旧版)内のアルチュセールの言及

【構造主義】より

…それは大きな知的反響をよびおこし,《エスプリ》誌の〈野生の思考と構造主義〉の特集(1963)をはじめ,多くの雑誌がレビ・ストロースと構造主義を論じて,〈構造主義〉の時代の幕明けとなった。このような論議の高まるなかで,フーコーが《言葉と物》(1966)を,アルチュセールが《資本論を読む》《甦るマルクス》(ともに1965)を,ラカンが《エクリ》(1966)を,R.バルトが《モードの体系》(1967)を世に問い,その他文学批評の分野でも構造分析が行われ,いずれも何らかの形で〈構造〉ないし〈システム〉を鍵概念として近代西欧の観念体系を批判吟味する新しい構造論的探求を展開した。そして〈構造主義〉は,それまでの20世紀思想の主潮流であった〈実存主義〉や〈マルクス主義〉をのりこえようとする多様な試みの共通の符牒となった。…

【社会学】より

… 次に,認識論次元での反省は,社会学の認識が価値自由のルールにのっとった実証的性格のものであるべきか,それとも〈精神科学〉の伝統に準拠した人文学的性格のものであるべきか,というこれまた古典的な論争のむし返しだった。しかし,社会学の認識関心をもって社会と人間の解放にあるとするJ.ハーバーマスが,人間の意識やエランélan(情動)を重視する主観主義的アプローチを採用するのに対して,イデオロギー的呪縛からの科学の解放を意図するL.アルチュセールが,物性を備えた構造や組織への客観主義的アプローチを主張し,マルクス主義社会学を〈文化〉派と〈科学〉派に分断させたことにみられるように,この問題の根は深い。 次の人間学的次元での反省もまた,古くして新しいものである。…

【文化】より

…それゆえ,文化は社会のさまざまなレベルの行為者の施策に媒介されるとともに,伝達されるものの内容を媒介としつつ,一社会の人々の間での資源,権力,威信などの配分,すなわち,社会構造に影響をあたえる。それゆえL.アルチュセールなどのようにこれらの文化伝達の制度をすべて〈国家のイデオロギー装置〉と考え,支配階級による支配への国民の合意を調達することがその機能だと説明している人々もいる。このような観点から,学校教育とマス・メディアを現代における主要な問題点として重視する研究者も多い。…

※「アルチュセール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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