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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…それは大きな知的反響をよびおこし,《エスプリ》誌の〈野生の思考と構造主義〉の特集(1963)をはじめ,多くの雑誌がレビ・ストロースと構造主義を論じて,〈構造主義〉の時代の幕明けとなった。このような論議の高まるなかで,フーコーが《言葉と物》(1966)を,アルチュセールが《資本論を読む》《甦るマルクス》(ともに1965)を,ラカンが《エクリ》(1966)を,R.バルトが《モードの体系》(1967)を世に問い,その他文学批評の分野でも構造分析が行われ,いずれも何らかの形で〈構造〉ないし〈システム〉を鍵概念として近代西欧の観念体系を批判吟味する新しい構造論的探求を展開した。そして〈構造主義〉は,それまでの20世紀思想の主潮流であった〈実存主義〉や〈マルクス主義〉をのりこえようとする多様な試みの共通の符牒となった。…
… 次に,認識論次元での反省は,社会学の認識が価値自由のルールにのっとった実証的性格のものであるべきか,それとも〈精神科学〉の伝統に準拠した人文学的性格のものであるべきか,というこれまた古典的な論争のむし返しだった。しかし,社会学の認識関心をもって社会と人間の解放にあるとするJ.ハーバーマスが,人間の意識やエランélan(情動)を重視する主観主義的アプローチを採用するのに対して,イデオロギー的呪縛からの科学の解放を意図するL.アルチュセールが,物性を備えた構造や組織への客観主義的アプローチを主張し,マルクス主義社会学を〈文化〉派と〈科学〉派に分断させたことにみられるように,この問題の根は深い。 次の人間学的次元での反省もまた,古くして新しいものである。…
…それゆえ,文化は社会のさまざまなレベルの行為者の施策に媒介されるとともに,伝達されるものの内容を媒介としつつ,一社会の人々の間での資源,権力,威信などの配分,すなわち,社会構造に影響をあたえる。それゆえL.アルチュセールなどのようにこれらの文化伝達の制度をすべて〈国家のイデオロギー装置〉と考え,支配階級による支配への国民の合意を調達することがその機能だと説明している人々もいる。このような観点から,学校教育とマス・メディアを現代における主要な問題点として重視する研究者も多い。…
※「アルチュセール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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