〈神をたたえよ〉という意味のヘブライ語の音訳。キリスト教で喜びの表現に用いられる間投詞。国によっては〈ハレルヤHallelujah〉ともいう。聖書では《詩篇》に見られる。中世ヨーロッパでは農夫が畑仕事中に唱えたり,兵士がときの声に用いたりしたという。現行のカトリック教会の典礼では教会暦に応じてさまざまな詩句と結びつき,復活祭直前の期間(四旬節)を除いて常にミサ中で福音書朗読の前に唱えられ,あるいは歌われる。通常,〈アレルヤ-詩句-アレルヤ〉という3部形式をとる。グレゴリオ聖歌としてのアレルヤは,最後の母音aを長く引きのばして旋律を歌うメリスマ唱法を特徴とするが,この唱法は東方教会から西方教会に伝わり,4世紀ころから用いられるようになった。また,モーツァルトのモテット《喜べ,踊れ,汝幸いなる魂よ》(K.165)の終楽章はアレルヤの1語の反復のみで歌われる。
執筆者:坂崎 紀
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