アンコンシャス・バイアス(読み)あんこんしゃす・ばいあす(英語表記)unconscious bias

知恵蔵の解説

アンコンシャス・バイアス

過去の経験や周りの環境などから、自分自身では気付かないうちに身に着いたものの見方や捉え方の偏り。日本語だと「無意識の偏見」と訳されることが多い。先入観による思い込みなどが、組織運営や仕事において、適切な判断や意思決定を妨げているのではないかとして、近年、ダイバーシティ(個々の特性や違いを生かし、多様な人材を積極的に活用しようという考え方)の推進に取り組む企業などの間で注目されている。
考える前に、瞬間的かつ無意識に生じる思考プロセスの一つで、コントロールすることが難しいとされている。例として、「若者はフットワークが軽い」「高齢者は頑固だ」「女性は優しく対応してくれる」などの思いこみや固定観念が挙げられる。これらは時として、差別する意図がなくとも、結果的に、他の人の自由な発言や活躍を妨げる要因となり得ると言われている。例えば、能力があり、「もっと仕事がしたい」と考えている子育て中の女性に対し、上司が「子育て中の女性に重要な仕事は任せられない」という意識の下、女性の仕事を減らすよう配慮することは、その能力を発揮する機会を奪い、意欲をそぐ可能性がある。
アンコンシャス・バイアスがもたらす仕事上での不利益をなくそうと、最近では、従業員に対し、自身のアンコンシャス・バイアスを意識させる研修に力を入れる企業も出てきている。

(南 文枝 ライター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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