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アンフォルメル アンフォルメル Informel

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アンフォルメル
アンフォルメル
Informel

美術用語。第2次世界大戦後の美術の一動向。アール・アンフォルメルとも呼ばれる。 1952年フランスの批評家 M.タピエが名づけた。 J.フォートリエ,J.デュビュッフェボルスを先駆とし,物質感の強い絵肌 (マチエール) ,力動感にあふれた筆触と画面構成,幾何学的な定形の拒否などを特色とし,タピエはそこに既存の美学と断絶した新しい絵画を見出して,その特質をアンフォルメルと呼んだ。

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デジタル大辞泉の解説

アンフォルメル(〈フランス〉informel)

《形がない、の意》第二次大戦後にフランスを中心に興った抽象画の運動。すべての定形を否定し、色彩を重んじ、激しい表現を行う。非定形絵画。

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百科事典マイペディアの解説

アンフォルメル

1951年―1952年フランスの批評家ミシェル・タピエ〔1909-1987〕が打ち出した絵画理念。あらゆる形式的配慮をすてて,本来非定形(アンフォルメル)なものである生命感の緊張を,強烈なマチエール,激しい表現行為に託して直接に定着しようとする。
→関連項目今井俊満シュネーデルスーラージュタピエス抽象芸術抽象表現主義堂本尚郎ボルスミショーリオペル

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世界大百科事典 第2版の解説

アンフォルメル【Art informel[フランス]】

ヨーロッパ,とくにフランスを中心に1950年代に展開された抽象絵画の動向を指す。〈アンフォルメル〉という語は,52年にフランスの批評家タピエMichel Tapié(1909‐87)が名付けたもの。第2次大戦前の抽象絵画は全体としては,幾何学的抽象に落ち着いてマンネリ化してしまっていた。大戦を経て人間の自己表現というものがあらためて問い直され,しかも,もはやシュルレアリスム的な象形的(フィギュラティフ)絵画は不可能であるという認識に立って絵画表現の可能性が探られていったときに,写実的ないし象形的な形体表現に頼らずに,自動記述的表現をそのまま画面に定着することのなかに自己表現を託してゆこうとする抽象絵画が生まれた。

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大辞林 第三版の解説

アンフォルメル【informel】

1950年代に展開された絵画における抽象表現主義の一動向。表現過程そのものを重視し、物質性と描く行為とを前面に押し出した。フランスの批評家タピエの命名。デュビュッフェ・フォートリエ・マチュー・ボルスらが代表的画家。非定形絵画。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アンフォルメル
あんふぉるめる
Informelフランス語

主として1950年代に前衛芸術の一動向となった叙情的、表現主義的傾向の抽象芸術およびその運動をさす。フランスの批評家ミシェル・タピエMichel Tapi(1909―1987)によって1952年パリで開催された展覧会「アンフォルメルの意味するもの」Signifiant de L'informelからこの名称が生まれた。同年タピエは、小冊子『別の芸術』Un art autreを出版し、この運動の趣旨を宣言している。展覧会に参加した、もしくは『別の芸術』で取り上げられた主要な作家をあげれば次のとおりである。デュビュッフェ、フォートリエ、マチューGeorges Mathieu(1921― )、ボルス、アルトゥング、ポロック、ミショー、トビー、デ・クーニング、リオペルJean-Paul Riopelle(1923―2002)、スーラージュ、アペル、ロスコ、サム・フランシス、クライン、カポグロッシたちである。したがって、表現主義、叙情的抽象から、アメリカの「太平洋派」や「アクション・ペインティング」などに至る広範で多様な傾向をいわば総括した形であり、それにタピエが精神的、系譜的に意味を付与したのがアンフォルメルである。すなわち、後期キュビスム、あるいは幾何学的抽象の定型化、アカデミスム化に対立して、「非定形アンフォルメル」なもののなかに、第二次世界大戦後における精神の激情的表現、「生の動き」をみいだそうとする運動である。
 この運動は、1950年代から少なくとも1960年代初頭までは国際的な広がりをみせ、多くの批評家、芸術家たちの間に共感を巻き起こした。日本人としては、批評家の富永惣一(そういち)(1902―1980)、彫刻家の勅使河原宏(てしがわらひろし)(1927―2001)、画家今井俊満(としみつ)、堂本尚郎(ひさお)などがその一環を担った。そしてヨーロッパ的合理主義、古典主義への反抗という一面のかたわら、東洋の墨蹟(ぼくせき)や禅の思想との関連という他面をもったことが、いっそう国際的な広がりを強めた。しかし1960年代末以降、しだいに他の前衛的な動向のなかに埋没していったことも事実である。[中山公男]
『『アンフォルメル以後 日本の美術はどう動いたか』(1964・美術出版社) ▽美術出版社編・刊『現代美術事典 アンフォルメルからニュー・ペインティングまで』(1985)』

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世界大百科事典内のアンフォルメルの言及

【現代美術】より

…〈現代〉という語はいずれは別の語に置き換えられることになるのであろうが,すくなくとも当分は現代美術の名で近代とは異なる新たな時代様式,様式というよりは新たな価値概念をもった時代を指し示そうとしているのである。
[〈現代〉の様式と〈近代〉の価値概念の矛盾]
 第2次大戦直後のアンフォルメルアクション・ペインティングは近代美術の最終の局面を示す動向であり,続くネオ・ダダやヌーボー・レアリスムNouveau Réalismeは近代の崩壊を象徴するとともに,ポップ・アートで発現する大衆社会化状況を告知したと言える。一方で,現代という時代の様式としての反映が,ネオ・ダダや反芸術以降の諸動向のなかにはっきり現れてゆく。…

【抽象表現主義】より

… 広義には,アメリカの抽象表現主義とほぼ時を同じくしてヨーロッパ,とくにフランスで現れた類似の動向をも指す。これは,アンフォルメル,抒情的抽象,タシスムTachisme,熱い抽象などとさまざまによばれた。日本では,50年代後半から,フランスのアンフォルメルが導入されて一時代を画したため,アンフォルメルの呼称が一般化した。…

【フォンタナ】より

…60年代の作品は舞台空間の構成をとり,《空間概念》のシリーズでは,穴によって流れるような線の溝を作ったキャンバスを背景に木製の枠をはめ,彼の,宇宙の不思議なリズムを表現する。フォンタナの空間主義はアンフォルメルの一翼をになうものともいえ,戦後イタリアの若い芸術家に多大な影響を与えた。【井関 正昭】。…

【ボルス】より

…おびただしい数のグアッシュと100点にみたない油彩は,自己の存在を絵で問おうとした点で,サルトルが早くから注目していたように,人間の実存の悲劇が描かれている作品である。それと同時に,象形的(フィギュラティフ)な表現の崩壊を見せている点でアンフォルメルの先駆として位置づけられる。この2点において,さらにそれが切迫した表現行為によって展開されている点において,アメリカのJ.ポロックに対比されうる。…

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