イサキ(英語表記)Parapristipoma trilineatum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イサキ
Parapristipoma trilineatum

スズキ目イサキ科の海水魚全長 20cm以上。体は灰黒色で腹面は淡い。昼間は沿岸藻場におり,夜,岸に近づく。成魚群れをなさない。小甲殻類,多毛類などを食べる。6~9月に分離浮遊卵を産む。釣魚夏季美味で,刺身塩焼などにして食べる。本州中部以南,沖縄,東シナ海に分布する。

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百科事典マイペディアの解説

イサキ

イサキ科の魚。地方名イサギ,イセギ,イッサキウズなど。全長40cmに達する。本州中部〜東シナ海,台湾に分布。昼間は海藻の多い海底におり,夜間はより岸に近づき遊泳する。卵は分離浮性卵。稚魚は濃密な群をなす。晩春〜夏にはなはだ美味。刺身,塩焼によい。釣の対象魚。

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栄養・生化学辞典の解説

イサキ

 [Parapristipoma trilineatum].スズキ目イサキ科の海産魚.体長40cmほどになる.食用魚.

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食の医学館の解説

イサキ

《栄養と働き&調理のポイント》


「夏の庶民魚」といえばイサキ。4月~9月のメスは卵をもちますが、いちだんとおいしい季節は6月~7月ごろです。イサキは口の中が赤く、左右の目のあいだが狭く、若魚にはしま模様があり、黄色いひれをもっています。
○栄養成分としての働き
 消化のよいたんぱく質と、ビタミンA・B群、Dを多く含みます。
 たんぱく質は、体を維持し発育をうながすほか、ホルモンや酵素、免疫物質などをつくる重要な役割をはたします。
 レチノール(ビタミンA)は、皮膚、粘膜(ねんまく)を健康に保たせます。B1は、糖質の代謝を促進させ、体と脳の働きを活性化させ、やる気を起こさせます。
 B2は目の粘膜や皮膚、髪などの健康をまもります。OA機器を使う仕事の人に最適といえるでしょう。
 Dはカルシウムの吸収に欠かせないビタミンで、成長期の子どもや中・高年の女性に摂取してほしい栄養素といえます。
 ほかに、細胞の成長や神経系・筋力の機能を正常に保つリンや、神経の情報伝達や酵素を活性化させるマグネシウムも含まれています。
 イサキはクセのない魚なので刺身、あらい、塩焼き、寄せ鍋で食べられるほか、ムニエルやフライなどにも適しています。
 目が澄み、ひれの色がきれいなほど新鮮といえます。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イサキ
いさき / 伊佐幾
grunt
[学]Parapristipoma trilineatum

硬骨魚綱スズキ目イサキ科に属する海水魚。宮城県以南の太平洋沿岸と新潟県以南の日本海沿岸、屋久島(やくしま)、東シナ海、台湾、中国広東(カントン)省・福建省の沿岸などに分布するが、南西諸島にはいない。体は長楕円(ちょうだえん)形で、やや扁平(へんぺい)する。目の下縁が吻端(ふんたん)よりも下方にある。口は小さく、主上顎骨(しゅじょうがくこつ)の露出部は鱗(うろこ)をかぶる。下顎の縫合部に2対の小孔(こあな)がある。両顎には弱い微小歯の歯帯がある。尾びれの後縁は内方にくぼむ。鱗は小さい櫛鱗(しつりん)で、側線鱗数は106~115と多い。全長45センチメートルに達する。体長20センチメートルまでの幼魚には背部に頭部後方から尾柄(びへい)部にかけて3条の黄褐色縦帯があるが、成長とともに消失する。24センチメートル以上の成魚では体が一様に暗灰色である。種名のtrilineatumはこの3本の縦帯を意味する。幼魚は群泳するが、成魚ではまばらになる。昼間は沿岸の藻場(もば)の海底で生活し、夜に海面近くに浮かぶ。小形甲殻類、多毛類などを食べる。夜行性の強い魚で、とくに暗夜に活発である。南の海域では5~6月、北では6~8月が産卵期で、沿岸に回遊して、直径約0.8ミリメートルの分離浮性卵を産む。孵化仔魚(ふかしぎょ)は1.6~2ミリメートル。1年で13センチメートル、2年で20センチメートル、4年で30センチメートルほどになる。冬の季節には15センチメートルぐらいの幼魚が多いが、夏が近づくと20センチメートルぐらいの大形魚がとれだす。重要な食用魚で、一本釣り、定置網、延縄(はえなわ)、桝網(ますあみ)などによって漁獲される。夏の産卵前のものは脂肪がのり美味である。刺身、塩焼き、煮つけ、フライなどにする。[赤崎正人・尼岡邦夫]

料理

この魚は大きいほど美味である。塩焼きがおいしいが、煮魚にもされる。煮魚は三枚におろして2センチメートル角くらいに切り、魚と同量の酒を沸かし、魚を加え、煮汁半分に煮つめ、砂糖としょうゆで味つけする。衣をつけないで揚げる素揚げ、衣をたっぷりつけてラードで揚げるから揚げもよい。ごく新しいものは刺身にもなり、いろいろの料理に向く万能魚である。[多田鉄之助]

釣り

釣り期は初夏から夏。船釣りは群泳する習性を利用して、アミジャコやイワシのミンチなどを寄せ餌(え)にして、まず魚を集め、これをエビのむき身、サクラエビ、イソメ類の餌(えさ)で釣る。また、鉤(はり)にサバやハモなどの魚皮を巻き付けた擬似鉤を等間隔に6~10本つけ、この上部に寄せ餌を入れる専用籠(かご)を固定した釣り方もある。これをサビキのコマセ釣りとよぶ。イサキの泳層は海底近くから10~15メートルほど上であるが、天候、潮色、時間などで変化する。この泳層を早くとらえて、つねに同じ泳層に餌または擬似鉤を沈めて釣るのがこつである。大形魚ほど泳層の上部に多い。磯(いそ)釣りでは、夏の夜、電気ウキをつけた仕掛けに、イソメ類の餌でねらうとよい。[松田年雄]

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