ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イサベル1世」の意味・わかりやすい解説
イサベル1世
イサベルいっせい
Isabel I, la Católica
[没]1504.11.26. メディナデルカンポ
カスティリア女王 (在位 1474~1504) 。フアン2世の子。異母兄カスティリア王エンリケ4世 (不能王)の相続者となり,1469年アラゴン王子フェルナンドと結婚。 74年カスティリア女王となる。しかしポルトガル王アフォンソ5世 (アフリカ王) はエンリケ4世の女婿であったところから,みずからの王位継承権を主張,カスティリアの貴族と結んで争乱が絶えなかった。しかし 76年カスティリア軍は,ポルトガル軍を破り,イサベルの王位は安定した。 79年フェルナンドはアラゴンの王位を継承しフェルナンド2世 (カトリック王)となり,ここにカスティリア,アラゴン両国は統一され,イサベル1世とフェルナンド2世により共同統治されることになり,スペインの歴史が始る。続いてこのカトリック夫婦王は 92年,イスラム教国の最後の拠点グラナダを征服,イベリア半島からイスラム教徒を追放して国土回復運動を完了した。これを機に,国王直属の軍隊の強化,国内治安の回復,経済の整備,貴族の官僚化,各コルテスの中央への服従などをはかり,さらに宗教裁判やユダヤ人追放などを通じてスペインの中央集権化をはかった。フェルナンドが戦場に終始することが多かったのに対して,イサベルは国内統治に専念しその名声を高めた。 C.コロンブスを援助して西インド諸島を手に入れるなどその施策は的確であった。
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