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イリオモテヤマネコ Felis iriomotensis; Mayailurus iriomotensis; Iriomote wildcat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イリオモテヤマネコ
Felis iriomotensis; Mayailurus iriomotensis; Iriomote wildcat

食肉目ネコ科。体長約 60cm。体毛黄褐色で縦に黒色斑が並ぶ。頸には5~7本の黒線がある。単独ですみ,普通は地上で生活する。夜行性で,イノシシの子,クマネズミなどの哺乳類,オオクイナ,バンなどの鳥類トカゲ,カエル,コオロギなどを食べる。 1967年3月に毛皮,頭骨から新属・新種と同定されたが,分類の見直しから今はネコ属 (Felis) の一種とされる。西表島に分布する。

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百科事典マイペディアの解説

イリオモテヤマネコ

食肉目ネコ科の哺乳(ほにゅう)類。体長50〜60cm,尾長20〜25cm。西表(いりおもて)島特産,1965年に発見。原始的なヤマネコで,東南アジアのベンガルヤマネコとする説や中国大陸でかつて栄えたネコ科の祖先メタイルルスの直系の子孫であるという説などがある。
→関連項目ヤマネコ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イリオモテヤマネコ
いりおもてやまねこ / 西表山猫
Iriomote wild cat
[学]Mayailurus iriomotensis

哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物。世界中でただ1か所、沖縄県の西表島の森林だけに生息する。体長60センチメートル、尾長25センチメートル、体重4キログラムほどである。体は暗灰褐色で、背側で濃く腹側で淡く、多数の黒褐色の斑点(はんてん)が縦に並ぶ。オオヤマネコなどと同じく上あごの第2前臼歯(きゅうし)がなく、歯数は28本。耳の骨(聴胞)とその後ろにある骨の突起(後頭傍突起)が成獣でも離れている点が著しい特徴で、これにやや類似したネコ類は南アメリカのチリに産するコドコドOncofelis guignaだけである。単独で生活し、夜行性であるが、繁殖期には日中も出歩く。地上性でありながら木登りや泳ぎが巧みで、潜水もする。原生林の中にある湿地や沼や小川、マングローブ林、草原などでカルガモやバンなどの鳥、トカゲやヘビ、イノシシの子、カエル、カニ、オオコウモリなどを捕食する。1頭で面積約700ヘクタールの行動圏(ホームレンジ)があり、3~4日で一巡する。繁殖期は11月中ごろに始まり、雄は雌を求めて広い地域を歩き回り、つがいを形成する。雌が強く発情すると半月以上にわたる共同生活を営み、このときに妊娠を伴う交尾があると考えられる。妊娠期間は65日前後と推定され、5月ごろ大木の樹洞で2頭ぐらいの子を産む。子は1歳を過ぎるまで母親に保護される。寿命は飼育下で8~9年。
 発見が遅く、1967年(昭和42)に新属新種として発表されたきわめて原始的なヤマネコで、鮮新世に滅んだ化石ネコ類のメタイルルス族の生き残りと断定されている。貴重な種にもかかわらず生息数は約100頭と少なく、特別天然記念物、国際保護動物とされ、完全な保護対策が望まれているが、保護区の範囲や、イノシシわなの禁止など保護の内容で住民との意見が一致せず、十分な保護がなされておらず、絶滅が心配されている。[今泉忠明]
『今泉吉典・今泉忠明・茶畑哲夫著『イリオモテヤマネコ 南海の秘境に生きる』(1978・平凡社)』

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