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ウィックスティード Wicksteed, Philip Henry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウィックスティード
Wicksteed, Philip Henry

[生]1844.10. リーズ
[没]1927.3.18. ロンドン
イギリスの経済学者。ロンドンのユニバーシティ・カレッジとマンチェスター・カレッジで古典学と神学を学び,父の職を継いでユニテリアン派の牧師となったが,H.ジョージの『進歩と貧困』や A.トインビー,J.ラスキンなどに影響されて社会主義や経済学に関心をもつ。 1882年頃 W.ジェボンズの『経済学の理論』で限界効用理論に接し,2年後にはその立場からマルクス批判をした経済学者の最初の一人。彼の経済学はオーストリア学派の影響も受けており,限界分析についてのすぐれた入門書『経済学の常識』 The Common Sense of Political Economy (2巻,1910) のほか,限界生産力説における完全分配の定理を初めて明示的に問題にした有名な"An Essay on the Co-ordination of the Laws of Distribution" (1894) などがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ウィックスティード【Philip Henry Wicksteed】

1844‐1927
イギリスの経済学者。ヨークシャーのリーズに生まれ,ロンドンのユニバーシティ・カレッジを卒業後,1874‐98年,ロンドンでユニテリアン派の有力牧師として活躍した。倫理学,社会学から経済学に関心をもつようになったが,W.S.ジェボンズの最終効用理論から出発して,それを〈限界効用marginal utility〉と呼びかえ,限界主義理論を展開したのが《経済学のアルファベット》(1888)である。のち《分配法則の統合に関する一試論》(1894)において,限界原理を生産要因の価格決定に応用し限界生産力理論(限界生産力説)を構成した。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウィックスティード
うぃっくすてぃーど
Philip Henry Wicksteed
(1844―1927)

イギリスの経済学者。リーズに生まれる。ロンドンのユニバーシティ・カレッジ卒業後、父の聖職を継ぎ、のちにユニテリアン派の指導者となったが、1897年以後著述に専念した。経済学への関心はヘンリー・ジョージの『進歩と貧困』Progress and Poverty(1879)によって誘発され、彼の最初の経済学の著書『経済学入門』The Alphabet of Economic Science(1888)では、彼がジェボンズの追随者といわれたように、限界効用(彼がイギリスでこのことばを最初に使った。ジェボンズは最終効用とよんでいた)学説の解説を試みた。彼の第一級の経済学者としての業績は『分配の諸法則の統合』An Essay on the Co-ordination of the Laws of Distribution(1894)であり、これがのちにウィクセルによって完成された限界生産力説による生産・分配両理論の統合の端緒となる。また、彼の大著『経済学の常識』The Common Sense of Political Economy(1910)は「経済学の共通認識」とも訳すべき難解の書であるが、近代経済学派の最高の経済哲学書であろう。[島津亮二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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