ウェールズ語(読み)ウェールズご(英語表記)Welsh language

  • ウェールズ語 Welsh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

インド=ヨーロッパ語族ケルト語派に属する言語。ローマ人の侵入当時イギリス全土にいたケルト系のブリトン人が用いていた言語が,変化し発達して現在にいたったもの。ブリトン人の言語がもっていた発達した屈折組織は失われている。ウェールズ地方に約 50万人の話し手をもっているが,その大部分は英語を併用する。

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百科事典マイペディアの解説

ケルト語派に属する言語。現存するケルト語中で最も有力。中世には文語も確立していたが,16世紀にウェールズが英国に併合されて新教を採用,以後は主として教会の用語として維持された。19世紀に復古運動があったが,口語としては英語に圧迫されている。現在,教育やマスメディアにおいて使用されている。話し手の数は,約50万人。
→関連項目ブリタニック諸語

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世界大百科事典 第2版の解説

ケルト語派中のブリタニック諸語のうち最も重要な言語。現在もウェールズ地方で話される。古期ウェールズ語(800‐1100),中期ウェールズ語(1100‐1400)の頃から形態的に同時代のアイルランド語に比べはるかに簡易化していた。ウェールズ語は活力に富み,数世紀にわたる英語の侵攻にもたえて独自性を保ってきたが,種々の要因によりその使用人口は漸減している。現代の口語は文語とはかなり異なり,およそ四つの方言に分かれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イングランドの西、ウェールズで話されているブリタニック語系ケルト語の一つ。使用人口50万余。その歴史は古く、5世紀後半以来、英語の圧迫に耐えて根強く存続してきた。初期にはきわめて複雑な語形変化をもっていたが、8世紀のころにはすでに同時代のゲーリック語(アイルランド語)よりも簡易化が進んでいた。しかし語頭の子音変化、屈折前置詞、VSO(動詞―主語―目的語)の語順などの特徴は今日もほとんど変わっていない。

[土居敏雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 インド‐ヨーロッパ語族ケルト語派に属する言語。現在、ウェールズにおいて約五〇万人が使用している。一六世紀の聖書翻訳によって現代ウェールズ語の散文の基礎が築かれた。

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世界大百科事典内のウェールズ語の言及

【ウェールズ】より

…5世紀半ばに始まるアングロ・サクソン人のブリタニア侵入によって,イングランドの地のブリトン人はその支配下に入ったが,ウェールズのブリトン人は天険の地形を利して自立を保持した。〈ウェールズ人(ウェルシュWelsh)〉とは,古英語で〈異邦人〉を意味する。かつてはブリタニアの支配者であったブリトン人は,イギリス人(アングロ・サクソン人)に圧せられてウェールズの地に押しこめられ,よそ者と呼ばれるにいたったのである。…

【ウェールズ】より

…主都カーディフ。地名は古英語(アングロ・サクソン語)でアングロ・サクソン人以外を指す〈異邦人〉に由来するため,ウェールズ語ではキムルCymruと呼ぶ。北はアイリッシュ海,南はブリストル海峡,西はカーディガン湾からセント・ジョージ海峡で限られ,東は1536年の合同時に設定された境界線によってイングランドと接する。…

※「ウェールズ語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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