エアバスA380(読み)エアバスエーさんはちれい(英語表記)Airbus A380

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エアバスA380」の意味・わかりやすい解説

エアバスA380
エアバスエーさんはちれい
Airbus A380

ヨーロッパのエアバスが開発した世界最大の旅客機。2000年12月,総 2階建て 800席の超巨人機を目指して開発が始まった。そのねらいは一時に大量の旅客を輸送することによって空港混雑防ぎ航空輸送の経済性を高め,航空会社の利益を上げやすくするというもの。原型機は 2005年4月27日に初飛行,開発試験も順調に進み 2006年12月に型式証明を取得した。しかし量産に入るのが遅れ,1号機がシンガポール航空へ引き渡されたのは,当初計画から 1年半遅れの 2007年10月であった。遅れの理由は,総延長 500kmに及ぶ複雑な電気配線が間に合わないというものであった。19機を発注したシンガポール航空で運航が始まると,最大 853席まで可能なキャビンに 3クラス 471席のみを配置,機内空間に余裕のあるところから乗客の評判もよく,シンガポール―シドニー線を皮切りに,ロンドン,東京,北アメリカ各地へ飛ぶようになった。近年では「空の女王」と呼ばれ,2012年6月現在約 80機が 100ヵ所以上の都市へ飛んでいる。最大離陸重量 560t。推力 30t級のロールス=ロイストレントまたは GP7200エンジン 4基を装備航続距離 1万5400km。受注数は 257機。日本スカイマークも 6機発注している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android