エリティス(その他表記)Odýsseus Elýtis

改訂新版 世界大百科事典 「エリティス」の意味・わかりやすい解説

エリティス
Odýsseus Elýtis
生没年:1911-96

現代ギリシア詩人クレタ島イラクリオンに生まれ,アテネで育った。フランスシュルレアリスムの影響下に詩作を始め,明るいエーゲ海の世界を高度の技術によって詩の中に再現太陽と光と自然の優越を歌ったが,第2次大戦の悲傷の時期を経て,戦後は壮大な頌歌均整の中に自然の秩序を称揚している。代表的な詩集としては《定位》(1940),《アクシオン・エスティ》(1960),《モノグラム》(1971)など。1979年ノーベル文学賞受賞。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリティス」の意味・わかりやすい解説

エリティス
Elytis, Odysseus

[生]1911.11.2. クレタ島,イラクリオン
[没]1996.3.18. アテネ
ギリシアの詩人。本名 Odysseus Alepoudellis。シュルレアリスムの影響を受け,自然と青春,海と太陽への回帰を歌う。第2次世界大戦ではアルバニア戦線に加わり,その経験がのちの作品に深みと厳粛さを与えた。『方向』 Prosanatolismoi (1940) ,『第一の太陽』 Ilios o protos (43) ,『価値がある』 Axion esti (60) などの詩集がある。 1979年ノーベル文学賞を受けた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリティス」の意味・わかりやすい解説

エリティス
えりてぃす
Odysseus Elytis
(1911―1996)

ギリシアの詩人。本名Alepoudelis。クレタ島出身。初期の詩集『方向』(1939)と『第一の太陽』(1943)によってシュルレアリスムの詩人として名声を得た。第二次世界大戦中の体験が、『アルバニアで倒れた少尉に捧(ささ)げる英雄的哀悼の歌』(1945)となった。長い沈黙ののち、『天空への六つと一つの呵責(かしゃく)』(1960)で内省的世界を示した。1979年、ノーベル文学賞を受賞した。

[森安達也]

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百科事典マイペディア 「エリティス」の意味・わかりやすい解説

エリティス

現代ギリシアの詩人。クレタ島イクラリオンの生れ。フランスのシュルレアリスムの影響下に,《第一の太陽》(1943年)などの詩集を発表,第2次大戦を経て,《アクシオン・エスティ》(1960年)などで再び脚光を浴びた。ほかに《モノグラム》(1971年)など。1979年ノーベル文学賞。

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世界大百科事典(旧版)内のエリティスの言及

【ギリシア】より

…今日学校教育はディモティキでおこなわれているが,文学作品,学術論文,保守系の新聞等ではいまだにカタレブサが用いられることも多い。散文ではカザンザキス,韻文ではセフェリスエリティス(両者ともノーベル文学賞受賞)などが世界的に知られ,その作品は各国語で紹介されている。【真下 とも子】【村田 奈々子】。…

【ギリシア文学】より

… 1930年代以降ギリシアの詩人たちはフランスのシュルレアリスムの影響を受けて新しい成熟した詩風を確立し,これが現代ギリシア詩の主流となった。この世代の詩人たちからは外交官として困難な時代の小国ギリシアの苦悩をおのが身に体現したG.セフェリス(1900‐71)と,厳密な形式の中にエーゲ海の自然と太陽の優越を歌ったO.エリティス(1911‐96)という2人のノーベル文学賞受賞者が生まれている。【池沢 夏樹】。…

※「エリティス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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