紙,布,皮革,金属の薄板などに凹凸模様を与える加工法をいう。
片面エンボスと両面エンボスがある。前者の場合,模様(絹目,布目,梨目など)を彫刻したロールと弾性ロールとの間に巻取紙を通し,加圧して模様をつける。後者の場合は,彫刻したロールを押しつけて弾性ロールに雌型の模様をつけてから紙を通す。コート紙を使用し,壁紙や小型パンフレット類などに利用される。
執筆者:臼田 誠人
模様を彫刻した鋼鉄製ロールを加熱し,雌型の非金属性ロールとの間に圧力をかけ,給湿した布を通して模様をつける。凸部に光沢がでる。細かい斜線を彫刻したロールを用いた綿布の加工をシュライナー加工Schreiner finishingといい,綿布に絹様の光沢をつけるために利用される。綿布に対するエンボス加工効果は一時的なもので,洗濯などで失われるが,樹脂による前処理を行うと,永久的加工効果が得られる(エバーグレーズ)。また,熱可塑性の合成繊維の場合も,永久的加工効果が得られる。
執筆者:坂本 宗仙
塑性加工の一種である。小さなはがき大程度の薄板であれば,コインの製造と同様に,雄型と雌型の間でプレスして模様をつけることができるが,たとえば幅1000mm,長さ2000mmといった切板程度の大きさになると,プレスでは均質な仕上げを望むことはできない。そこで,圧延の原理によって加工を行う。すなわち,上下ロールにそれぞれ雄型・雌型を彫り,同期させて,その間に金属板を送ることによりエンボス板が製造される。
執筆者:木原 諄二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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