エーレンシュレーガー(その他表記)Oehlenschläger, Adam Gottlob

デジタル大辞泉 「エーレンシュレーガー」の意味・読み・例文・類語

エーレンシュレーガー(Adam Gottlob Oehlenschläger)

[1779~1850]デンマーク詩人劇作家ゲーテやドイツ‐ロマン派詩人と交友。北欧ロマン主義確立。作「北欧詩集」など。エーレンシュレーゲル。エーレンスレーヤ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーレンシュレーガー」の意味・わかりやすい解説

エーレンシュレーガー
Oehlenschläger, Adam Gottlob

[生]1779.11.14. コペンハーゲン近郊ベステルボ
[没]1850.1.20. コペンハーゲン
デンマークの詩人,劇作家。オルガン奏者の父が城代をつとめるフレデリクベア城で育った。コペンハーゲン大学在学中,ドイツ帰りの H.ステフェンスが教授として着任,彼からドイツ・ロマン主義の洗礼を受け,北欧ロマン主義文学の第一声となった『黄金の角杯』 Guldhornene (1802) を書いた。以後『北欧詩集』 Nordiske Digte (07) をはじめとする北欧の神話伝説に取材した多くの詩や,アラビアン・ナイトに取材した詩劇『アラディン』 Aladdin (05) ,ドイツ語で書いた芸術家の悲劇コレッジオ』 Correggio (11) などを次々と発表,その華麗奔放で多産な活動は北欧文壇に大きな刺激を与え,「スカンジナビアの詩王」とたたえられた。 1805~07年に大陸諸国を歴訪,ゲーテらとも交わった。帰国後は次第に初期のロマン的精神が沈静して牧歌的な古典主義に近づき,作品の数も少くなったが,コペンハーゲン大学の美学教授,次いで学長もつとめ,全国民の敬愛を受けて栄光うち生涯を閉じた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エーレンシュレーガー」の意味・わかりやすい解説

エーレンシュレーガー
えーれんしゅれーがー
Adam Gottlob Oehlenschläger
(1779―1850)

デンマークの詩人。本国ではエーレンスレーヤーという。コペンハーゲン大学では法科に学んだが、古代北欧文学を耽読(たんどく)。ドイツ帰りの詩人ステフェンスからロマン精神を吹き込まれて書いた長詩『黄金の角杯(かくはい)』(1802)は、北欧ロマン主義の曙(あけぼの)を告げた。『千夜一夜物語』に材をとった詩劇『アラジン』(1805)は初期の代表作。1805年から09年にかけて王室の補助を受けてドイツ、フランス、イタリアに遊び、ゲーテやホフマンと親交した。初めはドイツ・ロマン派の影響が濃かったが、しだいに古代北欧の剛健さを慕うようになり、『北欧詩集』(1807)、詩劇『ヘルゲ』、また芸術家の悲劇を扱った『コレッジヨ』などを出して「スカンジナビアの詩王」と仰がれる。アンデルセン、イプセンをはじめ、多くの北欧の詩人や劇作家がその影響を受けた。

[山室 静]

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