ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エーレンベルク」の意味・わかりやすい解説
エーレンベルク
Ehrenberg, Christian Gottfried
[没]1876.6.27. ベルリン
ドイツの生物学者,科学探検家,古微生物学の創始者。ベルリン大学で医学を学ぶ (1818) 。 1820~25年,科学調査隊の一員として,エジプト,リビア,スーダン,紅海を探検,多数の動植物を採集した。 27年ベルリン科学アカデミー会員となり,ベルリン大学動物学助教授 (27) ,教授 (39) 。 29年,A.フンボルトの率いる探検隊に加わって中央アジアやシベリアの一部を調査。探検で採集した動植物の分類,カビが胞子より生じることの発見,サンゴ虫の体のつくりや生活史を明らかにするなど,研究業績は生物学の広範な領域にわたり,地層中に微生物化石を発見して古微生物学の基礎をつくった。また,彼は原生動物の滴虫類 (繊毛虫類) を研究し,そこから完全生物の概念をつくり上げ,高等動物がもつ筋肉,生殖器,消化器などのそれぞれに対応する装置が下等動物の体にもそなわっていると考え,それを論拠として自然発生説に反論し,動物を単純なものから複雑なものへと配列する分類法を批判した。彼は完全生物の概念に基づいて分類体系をつくり上げたが,ヒトに関してはそれが知性をそなえているという理由で,他の動物から切り離して扱っている。主著に『完全生物としての滴虫類』 Die Infusionothierchen als volkommene Organismen (38) がある。
エーレンベルク
Ehrenberg, Richard
[没]1921.12.17.
ドイツ歴史学派に属する経済学者。近代ヨーロッパ経済史の研究に従事し,特に『フッガー家の時代』 Das Zeitalter der Fugger (2巻,1896~97) は近代初期の金融・財政史研究の古典として知られる。
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