オラショ

共同通信ニュース用語解説 「オラショ」の解説

オラショ

禁教期のキリシタン信仰を受け継ぐ信徒が、洗礼葬式といった行事で神とつながるために唱える文言。地域ごとに種類の違いがみられるが、信徒は内容をほぼ理解することなく唱えている。祈りを意味するラテン語「oratio(オラシオ)」に由来。日本語と外国語が入り交じったり、歌うように唱えたりする。継承する信徒が唯一残るのは長崎県で、平戸市生月島では男性だけが唱える。長崎市外海地方や五島列島の一部では、声に出さずに念ずる。

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精選版 日本国語大辞典 「オラショ」の意味・読み・例文・類語

オラショ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] oratio 「於辣諸」とも書く ) キリシタン用語。祈祷(きとう)
    1. [初出の実例]「御主の御目は善人の上に懸り、御耳は其おらしょをきき給ふ也と」(出典:ぎやどぺかどる(1599)上)

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改訂新版 世界大百科事典 「オラショ」の意味・わかりやすい解説

オラショ
oratio

祈りを意味するラテン語に由来するキリシタン用語。隠れキリシタンが伝承したキリシタン時代からの祈り文と教義や掟を言うが,口から耳に伝えたので訛伝が多い。隠れキリシタンは長崎県の外海(そとめ)・五島系と生月(いきつき)・平戸系に分かれ,オラショにも異同がある。前者は黙誦し後者は斉誦して歌オラショを伝えた。今日役職者以外はほとんどオラショを知らず,オラショの忘却にともない隠れキリシタンの土俗化が進んでいる。
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