ヨーロッパ中央部を北流する川。ポーランド語名はオドラOdra川。全長903km。流域はポーランド西部とドイツ東部をおおう。チェコ北部のズデーテン山地に源を発し,カルパチ山脈の峠を越えてポーランド領内にはいる。いくつかの支流を合わせつつシロンスク(シュレジエン)平原を北西に流れ,ブロツワフ(旧ブレスラウ)を貫流,モレーンの台地間を曲流しながら下る。ウィルヘルム・ピーク地方でナイセ川を,さらに右岸にワルタWarta川を合わせ,北流してオーデル湾に注ぐ。第2次大戦後,ナイセ川とこのオーデル川を連ねるオーデル・ナイセ・ラインがポーランドとドイツの新しい国境と定められた。これは長く東西対立の一因となったが,1950年に東ドイツはこの線を最終的国境と認め,70年には西ドイツもこれを認めた。オーデル川は水上物資輸送の大動脈で,シュレジエンの炭田や工業地帯とバルト海を,さらにはチェコとバルト海を結んでおり,下流部には運河網が発達している。
執筆者:武田 むつみ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
モラヴィア山地に発し,ポーランド領内を北西に下ってナイセ川と合流し,北に向かってバルト海に注ぐ中部ヨーロッパの大河。全長861km。ナイセ川とともに,ドイツとポーランドの国境,オーデル‐ナイセ線を形成している。今日では上流まで河運に利用され,重要な交通路となっている。運河によってエルベ川に接続されている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...