カノン砲(読み)カノンホウ

デジタル大辞泉 「カノン砲」の意味・読み・例文・類語

カノン‐ほう〔‐ハウ〕【カノン砲】

口径に比べて砲身が長く、長距離射撃や堅固な建造物などの破壊に適した大砲総称キャノン砲

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精選版 日本国語大辞典 「カノン砲」の意味・読み・例文・類語

カノン‐ほう‥ハウ【カノン砲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「加農砲」とも書いた ) 艦砲戦車砲高射砲など口径の割に砲身が長く、長距離射撃に適する大砲。かのうほう。カノン。〔舶来語便覧(1912)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カノン砲」の意味・わかりやすい解説

カノン砲
かのんほう

大砲(火砲)の一種。大きな筒を意味する英語のcannon、フランス語のcanonに由来する。加農砲(かのんほう)とも書く。14世紀ヨーロッパに出現した大砲は、15世紀にモーター(臼砲(きゅうほう)、現在では迫撃砲を示す)とカノンの2種に区別された。カノン砲の特徴は、山なりの弾道を描く迫撃砲に比べ、水平に近い弾道(低伸弾道)で弾丸を撃ち出すことができることである。そのために発射薬はモーターより強力で、弾丸は高初速で発射される。威力、射距離は他の砲に比べ大きいが、その反面、砲重量も大きくなり、動作が鈍重になる。第二次世界大戦中は巨大な海岸砲列車砲が出現した。砲身が長いのが特徴である。単にガンとよぶ場合もあるが、現代ではカノンと榴弾砲(りゅうだんほう)(ハウイツァー)との区別がなくなりつつある。砲身製造技術の向上により、区別する必要がなくなったためである。ちなみに、陸上自衛隊が所有する155ミリ榴弾砲の射程は24キロメートルである。

[猪口修道]


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百科事典マイペディア 「カノン砲」の意味・わかりやすい解説

カノン砲【カノンほう】

加農砲とも書く。砲身長が口径の20倍以上の火砲で,初速が大きく,通常平射用で遠距離でも貫徹力は強大。用途により野戦重砲,戦車砲,要塞(ようさい)砲などに区分される。海軍砲の場合は大きい射角で長大な射距離を得る。第2次大戦から自動装填(そうてん)で発射速度を増し,砲身の内筒交換で初速・寿命を増大するなど性能が向上した。
→関連項目自走砲大砲野砲榴弾砲

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カノン砲」の意味・わかりやすい解説

カノン砲
カノンほう
cannon

加農砲とも書く。ガン gunとも呼ばれる。遠距離を射撃するために,長い砲身から大きな初速の砲弾を平らな弾道で発射する。ほかの同口径の火器に比べ,砲身,砲架ともに大型で,重量も大きい。牽引され,あるいは自走して移動する野戦重砲,あるいは固定砲架に据えられ海岸要塞砲として使われ,榴弾砲とともに野戦火力の骨幹を形成している。戦車や航空機に搭載する火砲は,砲身の加工や駐退装置に工夫を凝らした軽量のカノン砲である。旧日本陸軍の九六式 15cmカノン砲は,射程が2万 6200mであった。現在アメリカ陸軍の 175mmカノン砲は射程約3万 2700m。なお,旧ソ連軍にはS-23 180mmカノン砲 (射程約3万 400m) ,2S-7 203mm自走式カノン砲 (射程約3万 7500m) があった。

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