カプセル剤(読み)カプセルザイ

デジタル大辞泉 「カプセル剤」の意味・読み・例文・類語

カプセル‐ざい【カプセル剤】

ゼラチンなどで作った小さな容器粉薬を詰めたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプセル剤」の意味・わかりやすい解説

カプセル剤
かぷせるざい

不快臭や刺激性のある医薬品、味の悪い医薬品、色素類で他を汚染するような医薬品を服用しやすくするために用いられる剤形の一種。抗生物質や消化酵素製剤をはじめ、チモールサリチル酸ナトリウム肝油などの医薬品を、粉末状、顆粒(かりゅう)状、液状、懸濁状、糊(のり)状などの形でカプセル充填(じゅうてん)するか、カプセル基剤で被包成型してつくったもので、硬カプセル剤と軟カプセル剤の2種がある。硬カプセル剤はゼラチン製で、一端を閉じたボディとキャップからなる一対の円筒体の中に医薬品を充填し、互いに重ね合わせたものである。大きい順に000、00、0、1、2、3、4、5の各号、8種がある。軟カプセル剤は、ゼラチンにグリセリンソルビトール(糖アルコールの一種)などの可塑剤を加えて軟質化したゼラチン基剤を特殊な機械で板状に伸ばし、2枚の間に医薬品を挿入して両側から被包成型(球形楕円(だえん)形、卵形など)したもので、製法に平板式とローラー式の2種類がある。

 カプセル剤は胃内でカプセルが溶けて崩壊するが、老人など唾液(だえき)や胃液分泌が少ない場合は軟化するだけで崩壊しないこともあるので、多量の水またはぬるま湯とともに服用する必要がある。なかにはカプセルの皮膜にコーティングして胃を通過させ、腸内で崩壊するようにした腸溶性カプセル剤、あるいは顆粒にコーティングして厚さを適当に変え、崩壊性の異なるものを配合した持効性カプセル剤もある。また、数マイクロメートルから数百マイクロメートルという微球形のマイクロカプセルアスピリンのマイクロカプセル製剤)やレクタルカプセルといって坐薬(ざやく)として用いられる先のとがった円錐(えんすい)状に近い形の軟カプセル製剤も開発されている。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カプセル剤」の意味・わかりやすい解説

カプセル剤
カプセルざい
capsule

粉末,顆粒,液状または糊状医薬品をカプセルに充填するか,またはカプセル基剤で被包成形したもの。硬カプセル剤と軟カプセル剤とがある。カプセルは通常ゼラチンと少量の白糖とを原料とする楕円形,卵円形の有蓋もしくは密封しうる注入口をもつ,無臭で弾力性のある容器である。そのまま服用しては吐き気を催すもの,不快感,刺激性,潮解性のあるもの,色素,油状のものなどがカプセル剤として用いられる。

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百科事典マイペディア 「カプセル剤」の意味・わかりやすい解説

カプセル剤【カプセルざい】

粉末,粒状,油状またはのり状の医薬品を,ゼラチン製の一端を閉じた交互に重ね合わすことができる1対の円筒体につめた硬カプセル剤と,軟質のカプセル基剤で被包成型した軟カプセル剤の2種。薬剤の変質を防ぎ,カプセルごと飲むので飲みやすい。酸性の胃では溶けずアルカリ性の腸内で溶けるカプセルもある。

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世界大百科事典(旧版)内のカプセル剤の言及

【製剤】より


[製剤の種類]
 剤形は《第十改正日本薬局方》の製剤総則に26種記載されているが,局方外にも数種の剤形がある。 内服する,つまり経口投与される製剤は,エキス剤,エリキシル剤,カプセル剤,顆粒剤,丸剤,懸濁剤,細粒剤,散剤,酒精剤,錠剤,シロップ剤,浸剤・煎剤,チンキ剤,芳香水剤,リモナーデ剤,流エキス剤である。よく用いられる錠剤,カプセル剤を例にとると,服用後,消化管内において崩壊→分散→溶出のプロセスを経て,消化管粘膜で吸収される。…

※「カプセル剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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