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カラジアーレ Caragiale, Ion Luca

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カラジアーレ
Caragiale, Ion Luca

[生]1852.1.30. ハイマナーレ
[没]1912.6.9. ベルリン
ルーマニアの劇作家。ブカレストの音楽学校に学んだのち,劇団や新聞社で働きながら,当時の金権政治の腐敗,旧式な教育制度などを鋭く風刺した短編,コントを発表。次いで劇作に筆を染め,喜劇『波乱の一夜』O noapte furtunoasǎ (1878) ,『失われた手紙』O scrisoare pierdutǎ (84) ,『カーニバルあれこれ』D-ale carnavalului (85) などにより国民的人気を集め,リアリズム演劇の伝統を確立した。しかし,時の権力者や保守派の迫害を受け,ベルリンに亡命。 1907年の農民大虐殺の際にはパンフレット『1907年,春から秋まで』 1907,Din primǎvarǎ pînǎ-n toamnǎを発表,国外から政府をきびしく弾劾した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カラジアーレ
からじあーれ
Ion Luca Caragiale
(1852―1912)

ルーマニアの劇作家、短編作家。風刺的なコントの作者として、『電報』『ハイ・ライフ』などユーモアに満ちた多くの短編小説を発表し、官僚主義や政治家の日和見(ひよりみ)主義などを庶民的な笑いの感覚に基づいて痛烈に批判した。のち、喜劇に筆を染め、『嵐(あらし)の一夜』(1878)、『失われた手紙』(1885)などを次々に発表し、ルーマニアの本格的リアリズム演劇の確立に貢献した。とくに後者の『失われた手紙』は、当時のブルジョア議会選挙の腐敗ぶりをみごとに暴露した名作であるが、これが直接の原因となって、政府権力からの圧迫が強まったため、1904年ベルリンに亡命し、そこで客死した。
 1907年に起きたルーマニアの農民一揆(いっき)の際には、流血の弾圧に対する抗議のパンフレットを発表し、国内の世論に大きな影響を与えた。[直野 敦]

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