カラタチ(英語表記)trifoliate orange
Poncirus trifoliata(L.)Raf.

デジタル大辞泉 「カラタチ」の意味・読み・例文・類語

からたち【カラタチ】[書名]

日本の美術・俳句誌。大正5年(1916)、青木月斗が主宰して創刊

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カラタチ」の意味・わかりやすい解説

カラタチ (枸橘)
trifoliate orange
Poncirus trifoliata(L.)Raf.

アゲハチョウの食草になる1属1種のミカン科の落葉低木または小高木。枝にとげがあり,生垣として暖地で広く利用される。枝は緑色扁平で稜角があり,長さ1~7cmの太いとげがある。革質の葉は互生し,3出。葉柄は長さ1~3cmで翼がある。小葉は卵形から楕円形あるいは倒卵形で長さ2.5~6cm,先端は円く頂端は少しへこみ,基部はくさび形,ふちには鋸歯がないか,または鈍鋸歯を有する。春,葉に先だって前年枝に径3.5~5cmの黄白色の花をつけるが,やがて黄色をおびる。花は5弁で香気があり,花梗はない。果実有毛球形,黄熟し,径3.5~5cm。中国の原産で古くから日本に伝えられ,各地で栽培されているが,九州や対馬では野生化しているものがある。ミカンの台木にし,かんきつ類との交配も試みられ,属間雑種が育成されている。カラタチやミカン類の成熟直前の果実を輪切りしたものを枳殻きこく)と称し,薬用(健胃,利尿)とする。またカラタチの未熟果を乾燥したものを枸橘(くきつ)と言い,同様に薬用とする。熟果は飲料にし,マーマレードをつくることもある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「カラタチ」の意味・わかりやすい解説

カラタチ

中国原産で,本州中部以南の石灰岩地に野生化しているミカン科の落葉低木。枝には緑色の強大で鈍いとげがある。葉は3枚の小葉からなる複葉。春,葉の出る前に,小枝のとげの付け根に径約4cmの白色5弁花を開く。果実は球形で,秋に黄熟する。芳香があるが食べられない。枳殻(きこく)ともいい,果実は健胃薬などとし,樹は生垣,柑橘(かんきつ)類のつぎ木台木とする。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のカラタチの言及

【かんきつ類(柑橘類)】より


[分類]
 かんきつ類とされるものは,ミカン科ミカン亜科に所属する多数の種で,スウィングルW.T.Swingleの分類による〈真正カンキツ類〉の6属または田中長三郎の分類による〈カンキツ連〉の4属に所属するものである。しかし,通常はカラタチPoncirusキンカンFortunellaミカン属(カンキツ属ともいう)Citrusに含まれるものをかんきつ類という。 カラタチ属はカラタチP.trifoliata Raf.1種だけを含む。…

※「カラタチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android