デジタル大辞泉
「ガス糸」の意味・読み・例文・類語
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ガス‐いと【ガス糸】
① ガスの炎の中を高速度で通過させ、糸の表面の
毛羽を焼き光沢を与えた糸。主に
綿糸の
双糸(そうし)に施す。ガス。
※
都新聞‐明治二七年(1894)三月二四日「又
ズット下って東京機にて瓦斯糸の
風通織、種々の新形を出し」
② ①を用いて織った織物や
生地。ガス糸織。
ガス織。
※
多情多恨(1896)〈
尾崎紅葉〉前「秩父銘撰の藍ぽい羽織を着て、下は瓦斯糸らしい」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ガス糸 (ガスいと)
gassed yarn
ガスの炎の中を高速で通過させ,表面に出ている毛羽(けば)を焼いて除いた糸。通常,ガス糸にするのは綿糸であるが,ほかにも絹紡糸や麻糸などもガス糸にすることがある。毛焼きすることにより,糸の表面が平滑になり,光沢が増し,強度も増加する。綿ガス糸はさらにシルケット加工をして用いることが多い。レース,ブロード,ポプリン,ボイル,クレープなどの織物用に用いたり,ミシン糸,ししゅう糸などに用いる。
執筆者:坂本 宗仙
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ガス糸
がすいと
毛羽焼きを行った糸のこと。主として都市ガスを使用するが、そのガスの炎中に糸を高速で通し、表面の毛羽や雑物を焼き取った糸で、おもに綿ガス糸のことをさす。この工程を経ることにより、綿繊維の表面が加熱のためにろう質が柔らかくなり、繊維の結合が強化されることになる。織物の経緯(たてよこ)いずれかの原糸に施されるほか、細番手のカタン糸にもガス焼きを行うことがある。また絹紡糸、あるいは上質の麻糸に施すことがある。こののちにシルケット加工をするが、表面は平滑となり光沢がつく。
[角山幸洋]
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ガス糸【ガスいと】
ガス毛焼機を用い,ガスの炎の中を高速度で通過させるガス加工を施して,表面の毛羽(けば)を焼き,光沢を出した糸。ガス焼すると,熱で蝋分がしみ出て繊維を接着するため,糸面が平滑になり,糸の強度も増す。通常は綿糸だが,絹紡糸や麻糸もある。ポプリン,ブロード,レース,クレープ,ボイルなどの織物用やミシン糸,刺繍糸として使用される。
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