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ガレー船 ガレーせんgalley

翻訳|galley

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガレー船
ガレーせん
galley

ガリーとも呼ばれる。おもに地中海において古代から近代初期まで,3000年以上にわたって使われた櫂 (オール) 推進の大型船。すでにエジプト人,クレタ人などが帆付きのガレー船を軍用と商用に使用,前 700年頃フェニキア人が両側上下2段の櫂のついたガレー船を建造,さらに前 500年頃ギリシア人によって3段櫂船が導入された。中世には,ほぼ長さ 45m,幅 6mの船を人力により両舷にある通常 27本ずつの櫂で漕いで推進した。普通1本の櫂に4~6人の奴隷か,罪人がついた。補助的に2~3本の帆柱が使われた。軍艦としては,中世になってもポエニ戦争の頃の構造,大きさと基本的に変らなかった。艦砲の発達によってガレオン船が登場しても,まだ1世紀以上にわたって補助的に使われていた。ベネチア海軍で使った2層甲板でより大きなガレアス船,トルコ海軍が造った小型で快速なガリオット船の変型がある。ガレー船は近代初めのレパントの戦い (1571) でもなお主役を演じ,その後流刑人護送船として 18世紀まで使用された。

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百科事典マイペディアの解説

ガレー船【ガレーせん】

古代ギリシア・ローマ時代から18世紀まで,主として地中海で用いられた軍船。船体は細長く,多数の櫂によって推進。古代には漕ぎ手を2段に配置した2段ガレー,3段に配置した3段ガレーもあった。
→関連項目ガレオン船軍艦

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世界大百科事典 第2版の解説

ガレーせん【ガレー船 galley】

中世から近代まで地中海で用いられた軍用船。低い舷側と細長い船体をもち,多数のオールを備えている。古代以来の伝統をひく軍用船であるが,古代の二段櫂船,三段櫂船のように漕手の席が上下に段をなしていない。ベンチに2名または3名が並んでオールを引く。1本から3本のマストを持ち三角帆を備えている。小型のものでは40~50本,大型のもので200本ものオールを備え,50tから200t程度の荷を運んだ。また速度と操縦性に優れ,接近戦で威力を発揮した。

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大辞林 第三版の解説

ガレーせん【ガレー船】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガレー船
がれーせん
galley

紀元前3000年ごろから紀元後18世紀までも続いて、地中海を中心とするヨーロッパで用いられた櫂(かい)で漕(こ)ぐ形の軍用船。ギリシア・ガレー船、ローマ・ガレー船などの名を残しているが、初期のものは漕手(こぎて)が1段だけの一段櫂船uniremeから始まるが、前500年ごろから上下2段に漕手のいる二段櫂船biremeが現れ、前4世紀ごろから三段櫂船triremeの出現が、碑文や絵によって知られる。さらに四段、五段……、十数段というものまで伝えられているが、現実にこれが漕手の上下配列の段数を示すものなのか、別な船級を示す単位だけの意味なのかについては資料が残っていない。三段櫂船の場合のオールの長さは、最上段からおよそ4.27メートル、3.5メートル、2.28メートルであった。船の長さは約40メートル、幅は5~7メートル、そしてオールの数は上から31本、27本、下段も中段とほぼ同数であった。平均速力は2.5ノット(時速約4.6キロメートル)程度で、短時間には8ノットぐらいを出しえた。船体は低く、波に対しては弱かった。帆は初期においては、船の長さに応じて1本ないし2本のマストに追い風のときにだけ四角な横帆をあげたが、のちには三角縦帆であるラティーン・セールも用いられた。最大の武器は船首水面付近に前に向かって突き出させてつくった衝角(しょうかく)ramで、敵船に衝突させて穴をあけて沈没させるか、突っ込んだ船首から敵船に乗り込んで戦うという方法をとった。ガレー船の使用は、1809年のロシアとスウェーデン戦のころまでみられた。現在ガレーということばはボートの名や船の炊事場の名として残っている。[茂在寅男]

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世界大百科事典内のガレー船の言及

【海戦】より


[地中海の海戦]
 軍船の役割は遠征する陸上兵力の輸送と補給が主で,海戦はそれを阻止する側との間に起きる海上覇権の争いであった。地中海で使用された古代ギリシア,ローマなどの軍船(ガレーgalley)は櫓を主とし,帆も併用するもので船首に衝角を装着していた。互いに風と地の利を利用して近接し,個々に体当りして敵の水線下に衝角をつきさし破口をあけ沈没させる衝角戦法や,弓矢,投槍などで敵に損害を与えたうえで接玄横付けし,敵船に乗り込み戦う戦法が用いられた。…

【ゲラ】より

…活字組版を入れる長方形の盆。英語のgalleyからきた語。組みゲラと置きゲラの2種がある。…

【校正】より

…すなわち,印刷に先だち,正誤の任を果たすとともに体裁上の整備をも行う重要な作業の一つである。校正の順序としては,原稿そのものについて整理をかねてする原稿校正もあるが,活字組版の場合,一般には印刷所内で植字工が組み上げると,これを仮刷りし(この仮刷りを校正刷り,または植字用の組盆をゲラ(英語のgalleyをなまったもの)と称する関係からゲラ刷りともいう),それを他の係が原稿と照合してひととおりの校正をするところから始まる。これをうち校正または単に内校と呼ぶ。…

【水運】より

…ヨーロッパ側からは初め木材や金属,奴隷,のちにフランドル産の毛織物が輸出された。香料のような軽量で高価な商品の輸送には,しばしばオールでこぐ軽量快速のガレー船が用いられた。これは古代以来の伝統をもつ軍用船であるが,商船としても用いられた。…

【舟∥船】より

…これらの資料からフェニキアの船も含めて,紀元前の数世紀の間,古代の地中海で活動していた貿易船や軍船の姿を知ることができる。海戦用の〈長い船〉は大型になり,必要な推進力を得るためオールを上下何段にも並べる二段橈船bireme,三段橈船triremeなどのいわゆるガレー船が発達した。これらの軍船は1本マストと横帆をもち,順風には帆走したが,戦闘中はもっぱらオールを使った。…

※「ガレー船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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