キサンチン(読み)きさんちん(英語表記)xanthine

翻訳|xanthine

日本大百科全書(ニッポニカ)「キサンチン」の解説

キサンチン
きさんちん
xanthine

生体内に存在する化学物質で、プリン塩基一種。2・6-ジヒドロキシプリンともよばれる。動物の尿血液肝臓、植物の種子などにみいだされる。単離したものは無色の粉末または微細な針状結晶を呈する。分子量152.1。グアニンが脱アミノされたものに等しい。生体内ではプリンヌクレオチドの代謝中間体で、これらは、キサンチンを経て、キサンチンオキシダーゼという酵素で尿酸にまで代謝される。キサンチンのヌクレオシドはキサントシン、ヌクレオチドはキサンチル酸とよばれ、キサンチル酸はグアニル酸を脱アミノするか、核酸を脱アミノしてからアルカリ分解することにより得られる。

[笠井献一]


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化学辞典 第2版「キサンチン」の解説

キサンチン
キサンチン
xanthine

C5H4N4O2(152.12).プリン塩基の一種で,図のような互変異性がある.動物の肝臓,尿,またはイーストバレイショ,コーヒー豆,紅茶などに含まれる.グアニンの硫酸溶液を亜硝酸ナトリウムで脱アミノ化すると得られる.板状結晶(水より再結晶).加熱すると一部昇華し,融解せずに300 ℃ 以上で分解する.水,エタノールに難溶,鉱酸に可溶,アンモニア水や水酸化ナトリウム溶液に可溶.生体内ではアデニンヒポキサンチンの酸化,グアニンの脱アミノ化により生成し,酸化酵素の作用で尿酸になる.[CAS 69-89-6]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「キサンチン」の解説

キサンチン
xanthine

塩基の一種で,化学構造上は2,6 (1H,3H) -プリジオン (分子式 C5H4N4O2 ) 。この塩基は,核酸成分には含まれず,遊離ヌクレオチドとしても一般に微量しか存在しないが,プリン塩基が尿酸へと変化する中間物質で,尿,血液,肝臓に含まれ,植物にも少量存在する。

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百科事典マイペディア「キサンチン」の解説

キサンチン

プリン塩基の一種。昇華性の結晶。350℃以上で分解。水,エタノールに難溶,アルカリ性水溶液に可溶。カフェインテオブロミン等はこの誘導体。植物の種子・果実,動物の尿・血液等に含まれる。(図)

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デジタル大辞泉「キサンチン」の解説

キサンチン(〈ドイツ〉Xanthin)

尿酸の前駆物質の酸化生成物。多くの臓器と尿中に発生し、尿結石を形成することがある。

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栄養・生化学辞典「キサンチン」の解説

キサンチン

 C5H4N4O2 (mw152.11).

 プリン塩基の代謝中間体.

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世界大百科事典 第2版「キサンチン」の解説

キサンチン【xanthine】

3,7‐ジヒドロ‐1H‐プリン‐2,6‐ジオンともいう。上には7位窒素に水素が結合した7H型を示したが,互変異性体として9H型がある。板状の結晶で融解することなく350℃以上で分解する。冷水エチルアルコールにはほとんど溶けないが,アンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液にはよく溶ける。植物の種子・葉・果実,動物の血液・肝臓・尿等に含まれている。キサンチンはプリン塩基の一つであり,生体内ではアデニン,ヒポキサンチン,グアニンなどから脱アミノ,酸化等の反応によって生成し,さらにキサンチンオキシダーゼによって尿酸に酸化される。

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