キシリトール(英語表記)xylitol

翻訳|xylitol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キシリトール
xylitol

キシリットともいう。 C5H12O5 。分子量 152。D-キシロースに対応する糖アルコール。天然には存在せず,D-キシロースを還元して得られる。ショ糖の約 65%の爽快な甘味を有しており,糖尿病患者の甘味料として用いられる。また,細胞内の取込みにインスリンを必要としないで五炭糖サイクル,ウロン酸サイクルに入るので,糖尿病患者の糖代謝是正補液として臨床に使用される。

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デジタル大辞泉の解説

キシリトール(xylitol)

食品添加物の甘味料の一種。樹木や野菜などに含まれる成分キシランが原料。ダイエットや虫歯予防に利用されている。

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百科事典マイペディアの解説

キシリトール

天然素材の甘味料。5単糖の糖アルコールで,分子式はC5H(/12)O5。プラム(スモモ),イチゴ,カリフラワー,ラズベリー,ホウレンソウ,タマネギなどの野菜や果物に含まれ,体内でもつくられる。カバなどの木材やトウモロコシ,タケなどのセルロースを原料に人工的にも製造され,木糖とも呼ばれる。砂糖と同程度の甘味があるが,カロリーは75%ほどで,口に含むとさわやかな冷涼感がある。米国,カナダ,ヨーロッパ諸国などで食品や医療品として認可されており,FAO・WHO(世界保健機関)合同食品規格委員会では1日の総摂取量を特定しないという,最も安全性の高いカテゴリーに位置づけられている。 インシュリンと無関係に代謝されるという特徴があり,日本でも第2次世界大戦後から糖尿病患者のエネルギー補給などに用いられてきた。1970年代以降,キシリトールに虫歯を抑制する効果があることが認められ,フィンランドなどでキシリトール入りガムが販売されるようになった。キシリトールが歯垢と虫歯菌を減少させ,唾液の分泌を刺激して口中のカルシウム量を高め,同時にエナメル質の脱灰を抑え,再石化を促し虫歯の発生を防ぐというメカニズムである。キシリトールは口腔内細菌によって発酵せず,歯を溶かす酸を生成しない。また,10年以上継続して摂取しても,この効果は変わらない。 日本では1997年,食品添加物として認められ,〈虫歯を防ぐ〉というキャッチフレーズでガム,キャンディ,歯磨き剤などが次々と発売されている。ガムやキャンディなどで効果を得るには,5〜10分程度口に含むこと,また,キシリトールの濃度が50%以上のものを選ぶことが重要とされている。ただし,摂取しすぎると一時的におなかがゆるくなる場合もある。
→関連項目プラークコントロール

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栄養・生化学辞典の解説

キシリトール

 C5H12O5 (mw152.15).

 キシリットともいう.D-キシロースを加圧水素で還元して調製する.ショ糖の0.6〜1.0倍の甘味を呈する.糖尿病や肝疾患者用の糖として使用される.

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デジタル大辞泉プラスの解説

キシリトール

株式会社ロッテが販売するガムの商品名。天然甘味料・キシリトールを配合。「ライムミント」「フレッシュミント」「クールアップルミント」「Wグレープミント」「Wピーチミント」「クールハーブ」などがある。「ライムミント」「フレッシュミント」は特定保健用食品。

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大辞林 第三版の解説

キシリトール【xylitol】

五炭糖の糖アルコールの一。化学式 C5H12O5 野菜や果実に含まれる。工業的にはキシロースに水素を添加して製造される。虫歯の原因菌が酸を代謝するのを抑制するため、虫歯予防のために食品・菓子などに用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キシリトール
きしりとーる
xylitol

五炭糖であるキシリットが還元された、ショ糖に近い甘味を有する糖アルコールで、甘味料として用いられる。木材(広葉樹)から麦わら、トウモロコシの穂軸にいたるまで広く分布しているキシランを加水分解後、還元して製造される。シラカバやカシの樹脂からとれる天然成分を原料におもにフィンランドで生産されており、その安全性についてはWHO(世界保健機関)でも認められている。砂糖と比べて、カロリーは25%も低く糖度は変わらない。
 むし歯はその原因となるう蝕原性の細菌(ミュータンス菌mutans)によって不溶性グルカンを合成し(プラークつまり歯垢(しこう)形成)、このとき産出される酸が歯のエナメル質を溶かすことで発生する。キシリトールはう蝕原因菌によって発酵しないため、むし歯のもとになる酸がほとんど発生しない。日本でも1997年(平成9)に厚生省(現厚生労働省)により食品添加物に指定され、ガム、キャンディーなどの菓子類、歯みがき剤、洗口剤などにも使われるようになった。唾液(だえき)分泌を増加させ口腔(こうくう)内の防御機構を高め、う蝕原因菌の増殖を抑制し、歯の健康を守る。小腸から吸収されるが、非吸収部分は腸内細菌により短鎖脂肪酸に分解され、吸収される。肝臓でグリコーゲンやグルコースに変えられ代謝される。動物体内での代謝はインスリンの作用を介さず、血糖に影響を与えないため、糖尿病用の食事、術後の輸液にも使われている。[菅野道廣]
『大貫稔著『副腎皮質とキシリトール』(1977・共立出版) ▽溝口敦著『食卓の怪談』(1994・小学館) ▽今井奨・寒河江登志朗著『イラストでみるこれからのむし歯予防――キシリトールとアパタイトを正しく理解する』(1997・砂書房)』

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