キャタピラ(その他表記)caterpillar

翻訳|caterpillar

精選版 日本国語大辞典 「キャタピラ」の意味・読み・例文・類語

キャタピラ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] caterpillar 「毛虫」「いも虫」の意。元来は商標名 ) 車両の前後輪に、鋼板をつなぎ合わせたベルトをかけ、これを回転させながら走行する装置の、そのベルト。悪路急坂でも走行可能なので、戦車ブルドーザートラクター雪上車などに利用される。無限軌道。〔現代術語辞典(1931)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「キャタピラ」の意味・わかりやすい解説

キャタピラ
caterpillar

車両用走行装置の一種で,無限軌道または履帯ともいう。1801年イギリスのトマス・ジャーマンによって発明されたが,実用化されたのは1904年アメリカのホルト社が農耕用トラクターの走行装置として使用したのが最初といわれている。一般の車輪と比べて,軟弱な湿地,積雪地などの通過性にすぐれている反面,構造が複雑で重量も重くなりがちであり,一般に硬い路面では車輪に比べ2~3倍の回転抵抗を示すといった不利な特性がある。いずれにしろ,凹凸の多い荒地や軟弱地および積雪地などを走行する必要のある車両にとってはきわめて有効であるため,土木建設機械や戦車をはじめとする各種戦闘車両に多用されている(図)。なお,キャタピラの原義芋虫であるが,11年にホルト社がキャタピラを商標として登録しており,また25年にはホルト社とベスト社が合併して,土木建設機械を生産するキャタピラー・トラクター社が誕生し,現在に至っている。
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百科事典マイペディア 「キャタピラ」の意味・わかりやすい解説

キャタピラ

無限軌道とも。鋼板を鎖のように無端環状に接続した履帯を,車輪の周囲に取り付けた走行装置。1904年に米国でトラクターに使用されたのが実用の最初とされる。車輪で履帯を動かして走るが,地面との接触面積が大きく,単位面積当りの荷重が小さくなり,粘着力は大きい。このため急坂路,湿地帯,凹凸路などを容易に通過できる。建設機械や戦車をはじめとする戦闘車両に多用されている。
→関連項目キャタピラー[会社]雪上車ブルドーザー

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