キールン(読み)きーるん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キールン
きーるん / 基隆

台湾北端の港湾都市。台北(たいほく/タイペイ)の北東30キロメートルに位置する。人口38万8425(2000)。旧称チーロン(鶏籠)。先住の民族の族名の訳音と地形に似せてこの名がある。東西と南の三面が山に囲まれ、東西18キロメートル、南北15キロメートルの狭く険しい地勢をもつ台湾第一の天然の良港。雨期が秋と冬にあり、1年の半分以上の日が雨で、「雨の港」の別称がある。1860年の天津(てんしん)条約により開港し、75年に現在の名に改称した。99年より日本が4回にわたる築港事業を推進し、大型船が停泊する外港と埠頭(ふとう)や倉庫をもつ内港からなる国際的な一大貿易港となった。台湾の北の玄関、台北の外港の役割をもち、台湾北部の海運、貿易の中心地である。台湾縦貫鉄道の北の起点で、東部の宜蘭(ぎらん/イーラン)、花蓮(かれん/ホワリエン)に通じる北回鉄道や陸上交通の要所、また軍事上の要衝でもある。土地が狭く農業資源に乏しいが、漁業がとくに盛んで台湾第2位の漁獲高がある。ほかに造船、肥料、製鉄、石炭、水産加工業などの産業がある。[劉 進 慶]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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