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ギフチョウ ギフチョウ Luehdorfia japonica

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ギフチョウ
ギフチョウ
Luehdorfia japonica

鱗翅目アゲハチョウ科。前翅長 30~35mm。翅表は黄白色と黒色との縞模様で,後翅には外縁近くに橙色帯が,後角付近に赤色斑がある。また後翅には顕著な尾状突起がある。雌は雄より腹部に毛が少く,交尾後は腹端に交尾嚢ができる。

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百科事典マイペディアの解説

ギフチョウ

鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科の1種。開張55mm内外,黄色の地に黒条があり,後翅に赤斑がある。日本固有種で,本州だけに産する。幼虫はカンアオイ類を食べ,蛹(さなぎ)で越冬,成虫は年1回,早春に現れ,晴天の日だけ活動する。
→関連項目雨竜沼

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世界大百科事典 第2版の解説

ギフチョウ【Luehdorfia japonica】

鱗翅目アゲハチョウ科の昆虫。開張5.5cm内外。岐阜産の標本によって和名がつけられたが,昔はダンダラチョウとも呼んだ。日本特産種で,年1回暖地では3月末,寒冷地では4月中・下旬から現れ,晴れた日のみ活動する。ヒメギフチョウとともに〈春の女神〉と呼ばれている。秋田県から広島県まで分布するが局地的。おもに丘陵や低山地にすみ,その分布はスギの生育に適した気候帯と関連が深い。成虫はカタクリスミレヤマザクラなどが開花するころ羽化し,これに飛来する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ギフチョウ
ぎふちょう / 岐阜蝶
[学]Luehdorfia japonica

昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科に属するチョウ。ギフチョウ属Luehdorfiaは、既知種4種を含む東アジア特産の原始的なチョウで、そのうちギフチョウは日本の特産種。本州のみに産し、北海道、四国、九州には分布しない。本州では西は山口県、北は太平洋岸では東京都西部の多摩丘陵、日本海側では秋田県南端部に達する。近似種ヒメギフチョウL. puziloiと本種は一般にすみ分けて生息し、その分布境界線はルエドルフィア・ラインとよばれているが、地域によっては両種の混生がみられ、現在までの調査では長野県北安曇(きたあずみ)郡の一部、信越国境の斑尾(まだらお)山、黒岩山、山形県最上(もがみ)川中流域に混生地がある。東京都、神奈川県、京阪神周辺では主として生息地の環境破壊によって多くの産地で絶滅した。はねの開張50~55ミリメートル程度で、アゲハチョウ科としては小形。はねの地色は黄色で、縦に黒の縞(しま)模様があり、後ろばねには赤色、橙(だいだい)色、青藍(せいらん)色の斑紋(はんもん)があり美しい。この段だら模様からダンダラチョウの別名もある。年1回の発生で、暖地では3月下旬から4月下旬(最盛期4月上旬ごろ)、分布の北限に近い地域(たとえば山形県)や標高の高い場所では4月下旬から5月下旬(最盛期5月上旬ごろ)に出現し、その最盛期はその地域のサクラの開花期にほぼ一致する。年に一度春だけにその姿を現す生物をスプリング・エフェメラル(春のはかない命)というが、チョウでは本種がその代表的なものである。幼虫の食草はカンアオイ類であるが、地域によって自生するカンアオイの種類が異なるため、必然的に場所により食草の種類は相違する場合が多い。同一地域に複数のカンアオイの種類が混生する場合でも、好適な食草はそのなかの1種にすぎないことが普通である。ある地域で好適な食草となっているカンアオイが、ほかの産地では食草とならないケースもある。ウスバサイシンはヒメギフチョウの食草であるが、場所によってはギフチョウがこれを食草とする場合も知られている。母チョウは食草の新芽裏面に数卵を並べて産み付ける。孵化(ふか)した幼虫は若齢期に葉裏に固まって生活するが、終齢が近づくと分散し単独生活に移る。晩春に蛹(さなぎ)となり、翌春まで蛹の状態で過ごす。[白水 隆]

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世界大百科事典内のギフチョウの言及

【アゲハチョウ(揚羽蝶)】より

…日本にはウスバシロチョウ属3種(北海道特産のウスバキチョウ,ヒメウスバシロチョウ。北海道,本州,四国に分布するウスバシロチョウ),ギフチョウ属2種(北海道,東北,中部内陸産のヒメギフチョウ。本州特産のギフチョウ)と最近東京付近に定着したと見られるホソオチョウの計6種が分布している。…

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