ギョーム

化学辞典 第2版 「ギョーム」の解説

ギョーム
ギョーム
Guillaume, Charles Edouard

スイス生まれのフランス物理学者.チューリヒ工科大学で学位を取得.1883年パリの国際度量衡局物理部門に就職し,のちに局長となった.研究者にメートル法を普及させるためには,安価で精密なメートル原器開発が重要だと考え,Pt-Ir合金の原器のかわりに,Ni合金に着目した.1897年鋼鉄にNiを36重量% 加え,熱膨張率が不変(invariable)のインバー合金を得た.これが測地線標準器に応用され,測地学を大いに盛り立てた.さらにクロノメーターの精度向上をはかり,ヒゲぜんまいの弾性率が不変(élasticité invariable)となるエリンバー(Elinvar)合金の開発に取り組む.1919年Ni 36重量%,Cr 12重量% を鋼鉄に加え,目的の合金を得た.この結果,時計の精度は飛躍的に上昇した.これらの業績に対し,1920年ノーベル物理学賞を受賞した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ギョーム」の意味・わかりやすい解説

ギョーム

フランスの物理学者。スイスに生まれ,チューリヒ工科大学を出て,1883年国際度量衡局勤務,1915年同局長。温度測定について研究,1897年不変鋼インバー発明,その応用についても研究した。1920年ノーベル物理学賞。
→関連項目エリンバー

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