1875年に調印されたメートル条約に基づき,メートル法によって度量衡の単位を世界的に統一するために設立された計量標準の国際的な維持供給機関。パリの南西約10kmのセーブルにある。施設・設備費と維持費は条約締約国の分担金で支弁される。その業務は,設立当初は長さと質量の国際原器を保管し,各国原器の検査を行うことおよびそれに関連する諸研究に限られていたが,1921年の条約改訂以後,電気,測光および電離性放射線の標準器やおもな物理量の目盛を維持し,かつ業務に関係する物理定数に関し測定と調整を行うよう拡張された。歴史的な業績としては,標準供給という本来の業務のほかに,ギヨームC.É.Guillaumeによるインバーの発見,マイケルソンA.A.MichelsonやファブリC.FabryとペローA.Perotによる光波干渉標準器の研究,佐久間晃彦による重力の絶対測定などがあり,測地学実験室内の地点Aは72年以降〈国際統一重力測定網〉の起点に選ばれている。国際度量衡局の業務の遂行はもっぱら国際度量衡委員会Comité International des Poids et Mesuresの指揮監督を受けて行われる。その委員会は国籍を異にする18名の委員で構成され,総会ごとに半数が改選される。委員会は少なくとも2年に1回,現在は毎年開かれ,国際度量衡総会の支配を受ける。国際度量衡総会Conférence Générale des Poids et Mesuresはメートル条約の議決機関であり,条約締約国の代表によって構成され,少なくとも6年に1回開かれる。その任務は,メートル法の現代型である国際単位系の普及と完成に必要な方法を討議し,かつ実施すること,計量に関する新規の基本的な測定の成果を承認し,かつ科学に関し国際的に重要な決定を採択することなどである。
執筆者:三宅 史
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…1921年の法改正は,メートル法への統一の方向を示すものであって,その公布の日である4月11日は後に度量衡記念日またはメートル記念日と呼ばれるようになった。同じ年に,当時の皇太子・裕仁親王は,国際度量衡局を訪問,参観した。 メートル法への統一は,1930年代の反動期を経て,58年にようやく結実するのであるが,その間,度量衡法は全面的に改められ新たに計量法が成立し(1951),その公布の日である6月7日が計量記念日と名付けられた。…
※「国際度量衡局」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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