ドイツの彫刻家、版画家。2月18日ライプツィヒに生まれる。カールスルーエ、ベルリン、パリで学んだのち、1888~1893年ローマに留学。以後主としてライプツィヒで活躍した。マレースやベックリンの影響を受け、印象主義とアール・ヌーボーを取り入れて象徴的な独自の様式をつくりだした。大理石、象牙(ぞうげ)、ブロンズなどを素材として使用した多彩色の『ベートーベン記念碑』を制作。版画では幻想的な『手袋』や『ブラームス幻想』の連作がある。1920年7月5日ナウムブルク近郊のグロースイエナで没した。
[野村太郎]
ドイツの劇作家。ゲーテと交友し感化を受けた。ルソーとシェークスピアの影響を受け、『悩む女』(1775)、『双生児』(1776)を書き、代表作『シュトゥルム・ウント・ドラング』(1776)は、封建体制と理性偏重の時代思潮に反抗する文学革新運動の名称となる。ザイラー一座の座付き作者を経てロシア軍に仕官、昇進を重ね貴族となる。ロシア時代の小説『ファウストの生涯と行動と地獄落ち』(1791)では、情熱と天才の賛美を離れ、豊かな人生体験に基づく懐疑的境地を示している。
[長屋代蔵]
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ドイツの〈シュトゥルム・ウント・ドラング〉の劇作家。ゲーテの《ゲッツ》にならった《オットー》(1775),ルソーとシェークスピアの影響の下に天才の情熱と自由への渇望をえがく《双生児》や《シュトゥルム・ウント・ドラング》(ともに1776)などがあるが,ロシアにおもむいた後の小説《ファウストの生涯と行動と地獄落ち》(1791)では,天才主義から離れ,古典主義的教養思想への接近を示している。
執筆者:長屋 代蔵
ドイツの画家,版画家,彫刻家。ライプチヒに生まれる。古典的主題の絵画やベートーベン像などの彫刻は,19世紀末ドイツの理想主義的な面を表している。しかし最近の評価は,《手袋》をはじめ,《イブと未来》《ドラマ》《死について》など連続形式の版画に向けられており,そこには近代生活の深層がリアルな物語的進行のなかに形象化されている。キリコ,コルビッツ,クビーンなどに大きな影響を与えた。
執筆者:土肥 美夫
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…様式的には古典主義,ネオ・バロック,リアリズムと変遷しながらも,主題の点では19世紀を通じて記念碑や人物の肖像および墓碑が一般に好んで取り上げられた。ダンネッカーJohann Heinrich von Dannecker(1758‐1841)の《シラー胸像》(1805‐10)やシャドウGottfried Schadow(1764‐1850)の《マルク辺境伯の墓碑》(1788‐91),ラウフChristian Rauch(1777‐1857)の《フリードリヒ大王》(1839‐51),画家としても知られるクリンガーの《ベートーベン像》(1899‐1903)らにこれをみることができる。19世紀中葉ミケランジェロやベルニーニの作品から感化を受けたベガスReinhold Begas(1831‐1911)が出たのちは,ヒルデブラントが再び厳格な古典主義の作風を確立して,ミュンヘンを中心に後世へ根強い影響を与えた。…
※「クリンガー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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