クリープ(英語表記)creep

翻訳|creep

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

(1) 土地の表層部がゆるやかな速さで斜面上をすべり下る現象山地の傾斜面に生えたスギの木などで,直立した根もとが下方にひどく湾曲しているのはこの現象のためである。 (2) 石炭坑道,隧道などの岩盤地圧のため押出す盤ぶくれの現象。岩盤が粘土質で,水を含むときにしばしば生じる。
固体に一定応力を加えたままにしておくとき,経過時間とともにひずみが増大する現象。金属材料では結晶面ずれによる塑性変形が,また高分子材料では粘弾性挙動が主因になって起る。金属材料にある温度で静応力を負荷する場合,応力が高いほど,単位時間あたりのクリープ速度 (ひずみの増加速度) が大きく,ある応力をこえれば時間の進行とともに遷移クリープ定常クリープ加速クリープの各形態が現れる。加速クリープが開始されると,一般には短時間で破断が起きるため,加速クリープの開始点までを解析対象とすることが多い。比較的高いサイクルの繰返し応力が加わるときにも,繰返し数とともにひずみが増加する。この現象を動クリープという。高温では疲れと合せて考える必要がある。
ころがり軸受において,回転軸内輪がゆるくはめられている場合に,しばしば内輪が軸回転方向とは逆方向に滑る運動がみられる。外輪についても同様な現象が生じ,これらをころがり軸受のクリープという。広義には回転方向と無関係に,はめあい面において駆動側が相手に対して駆動方向に滑ることを含めていうことがある。軸受面の発熱摩耗が著しくなれば事故につながる。

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デジタル大辞泉の解説

(人・動物・虫などが)腹ばいになって這って動くこと。
乗り物がのろのろと進むこと。特に、オートマチックトランスミッションを搭載する車両などで、エンジンがアイドリングの状態でアクセルを踏まなくても徐々に前へ進む現象のこと。クリープ現象摺り足現象這い出し現象
物体に外力を加えたとき、外力は一定していても、その物体の変形が時間とともに徐々に増加してゆく現象。クリープ現象。

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百科事典マイペディアの解説

(1)一定の応力のもとで,物体の変形量が時間の経過とともに増していく現象。最終的には破壊に至る。温度が高いほど速く生じ,高温で使用する材料や構造物では十分な注意が必要となる。クリープは岩石でも生じる。(2)斜面上の岩屑(がんせつ)や土壌重力の影響を受けて斜面の下方にゆっくりと移動していくこと。ソイルクリープともいう。
→関連項目レオロジー

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岩石学辞典の解説

塑性変形が一定応力のもとで時間とともに増加する現象.金属,セラミックスコンクリート高分子物質などに多い.熱振動の助けによって進行する変形に対してはすべての場合に見られる現象である[長倉ほか : 1998].岩石または個々の結晶のゆっくりした変形で,変成岩などのように長時間にわたって相対的に低い圧力が作用した場合に起こる.ホルムスは地学関係で次のような場合に用いた[Holmes : 1965].(1) 物質の破片が重力のために目に見えないくらいゆっくりと滑り降りること.一般にはsolifluctionという語よりも用いられる.このような例には土壌や岩屑のクリープなどがある.(2) 固体の物体が弱いストレスを長期に連続して受けた場合の変形.

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デジタル大辞泉プラスの解説

森永乳業株式会社が販売する乳製品の商品名。牛乳を使用。コーヒー用のクリームパウダー。ビン入りタイプ、袋入りタイプ、個包装スティックタイプなどがある。種類別表記は「乳等を主要原料とする食品」。

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世界大百科事典 第2版の解説

一般に物体に力(応力)を加えると,物体は変形し,力が一定に保たれれば変形量も一定となるのがふつうである。しかし一定の応力下でも,時間の経過とともに変形量が増加することがある。この現象をクリープという。クリープを起こす過程は三つの期間に区別して考えられる。最初一定の力をかけた瞬間に材料には弾性的な伸びが生じ,続いてわりに速い塑性変形が起こるが,塑性変形の速さはだんだん遅くなり,ついにほぼ一定の速さで変形が進むようになる。

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大辞林 第三版の解説

はうこと。ゆっくり動くこと。
応力が一定でも、物体の塑性変形が時間とともに増加する現象。温度が高いほど、また応力が大きいほどその変形速度は速い。プラスチックなどの高分子物質に顕著にみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一定の大きさの力が加わっているとき、時間の経過とともに材料の変形が増大していく現象。たとえば、ゴム紐(ひも)におもりを結び付けてつり下げると、ゴムは瞬間的に伸びるが、そのまま放置しておくと、時間がたつにしたがってゴムは徐々に伸びていく。このような現象はプラスチックなどで顕著に現れるが、鉄鋼、銅などの金属材料、またコンクリートなどでもおこる。金属材料などでは常温ではほとんど感知できないが、高温、高荷重の場合には無視できない。金属などが高温で荷重を受けるときには、最初のうち、ひずみは時間とともに急速に大きくなり、次の段階でひずみの時間的変化はほぼ一定となり、最後にひずみが急速に進み、ついに破断する。最初の部分を第1期クリープ、次の段階を第2期クリープ、最後のところを第3期クリープという。ロケットエンジンのように高温のもとで運転されるものについては、設計段階でクリープを考慮する必要がある。[中山秀太郎]

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化学辞典 第2版の解説

一定応力のもとで時間の経過とともに現れる塑性変形をいう.一般には高温で使用する材料で問題になるが,温度は対象とする温度(T K)と融点(Tm K)との比(比温度,homologous temperature)によって表すべきであるので,融点の低い材料では室温でも,この性質が重要になる.0.3~0.4Tm 以上の温度で問題になり,0.5Tm ではクリープははげしく起こる.高温で使用する耐久限度よりクリープ破断応力のほうが低くなるので,高温で使用する材料はクリープ性質によって設計をしなければならない.クリープひずみと時間の関係は図に示すように3段階で生じる.第一と第三段階は短時間(数十時間以内)の現象であり,第二段階はきわめて長時間にわたるので,この段階のひずみ速度(定常クリープ速度,または最小クリープ速度,steady state creep rate, minimum creep rate)をもって設計の基準にすることがある.また,途中の変形は測定しないで,破壊するまでの実験によって考慮する方法があり,現在はこのほうが多く行われる.クリープ破断時間を tr(rupture time),温度をTとし,アレニウス型の整理を行った場合,負荷応力σを縦軸に,T(log trc)を横軸にとった線図をつくると,応力,温度および破断時間の相違した多くの実験データを,1本の曲線で表すことができることがわかっている.ここで,cは材料と,厳密には温度と応力によって決まる定数であるが,一定値として取り扱う.この曲線をマスター曲線という.横軸にとるパラメーターにはいろいろの形式の提案があり,上述のものはLarson-Millerのパラメーターといっている.クリープは,部品の寿命全体にわたって存在する性質であるので,機器の寿命程度の長時間(一つの基準は 105 h)の破断強さ,クリープ変形量を推定する必要があり,多くは 104 h 程度の実験から 105 h におけるものを推定している.

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世界大百科事典内のクリープの言及

【材料試験】より

…この場合,切欠きのある試験片に落下する振子で衝撃曲げを加え,材料が吸収するエネルギーを測定し,これを断面積で除して衝撃値とする。クリープ試験creep test高温の材料にある限度以上の荷重が加わると,長時間の間にひずみが徐々に増大する。この現象はクリープと呼ばれ,高温で用いられる機械では重大な障害となることがある。…

※「クリープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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