クロツグミ(その他表記)Turdus cardis; Japanese thrush

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロツグミ」の意味・わかりやすい解説

クロツグミ
Turdus cardis; Japanese thrush

スズメ目ツグミ科。全長 22cm。雄は頭部,胸,背,翼上面,尾が黒く,腹部は白色の地に黒色斑がある。眼のまわりの皮膚は黄色。繁殖期には鮮黄色であるが,冬季には黄褐色になる。雌は頭,背,翼上面,尾は褐色,胸腹部は白っぽく,胸には赤褐色羽が少しあり,黒色斑がある。雌雄ともに下雨覆は赤褐色。中国中南部のフーペイ(湖北)省クイチョウ(貴州)省などかぎられた地域と日本に繁殖分布し,中国南部,ハイナン(海南)島ラオスなどで越冬している。日本では本州の中部以北と,少数が九州地方四国地方のおもに山地森林で繁殖している。ツグミ属に特有ののどかな声でさえずる(→さえずり)。

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改訂新版 世界大百科事典 「クロツグミ」の意味・わかりやすい解説

クロツグミ
grey thrush
Turdus cardis

スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約22cm,雄は体上面と胸が黒く,腹面は白地に黒斑が散在している。くちばしは黄色。雌は全体に褐色で,下面に黒斑がある。中国中部と日本で繁殖し,秋・冬季には中国南部やインドシナに渡る。日本では北海道から九州までの各地で繁殖するが,南西部では数が少ない。落葉広葉樹林からスギマツの造林地までいろいろなタイプの林にすみ,おもに地上をピョンピョンはねながらミミズ昆虫を探し出して食べる。4~7月の繁殖期には,雄はキキコ,キキコ,ピョコピョコと聞こえるほがらかな感じの美しい声でさえずる。ただし,アカハラのようにこずえ付近ではなく,おもに中層部の枝上でさえずる。繁殖はつがいで行う。深いわん形の巣を太い枝のまた状部分につくり,3~4個の卵を産む。抱卵は雌だけが行い,育雛(いくすう)は雌雄ともに行う。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロツグミ」の意味・わかりやすい解説

クロツグミ
くろつぐみ / 黒鶫
grey thrush
[学] Turdus cardis

鳥綱スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。全長約21センチメートル。雄は腹が白いほかは全身が黒いので、この名がある。ヨーロッパにすむblackbirdは同属であるが、これとは別種で、和名クロウタドリという。また北アメリカのblackbirdはスズメ目ムクドリモドキ科のハゴロモガラス類のことをさす。クロツグミは九州から北海道までの日本と、中国南部に繁殖分布し、インドシナ半島などに渡って越冬する。低山の林にすみ、樹上に巣をかけ、3~4個の卵を産む。地上を跳ね歩きながら、昆虫、ミミズなどをあさる。雄のさえずりは大きな朗らかな声で、他種の声を取り入れて複雑な節回しを続ける。

[竹下信雄]

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小学館の図鑑NEO[新版]鳥 「クロツグミ」の解説

クロツグミ
学名:Turdus cardis

種名 / クロツグミ
目名科名 / ヒタキ科
解説 / 繁殖期には、大きな声でふくざつにさえずります。山地や海岸近くの林で繁殖し、木の枝などに皿形の巣をつくります。子守りの交代にきたオスは、メスに向かって小声で短く鳴きます。
全長 / 22cm
食物 / 昆虫、果実
分布 / 九州以北に来る夏鳥
環境 / 森林
鳴声 / キョロコッ、キョロッコ、キョロッキョキョ

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