クロロベンゼン(英語表記)chlorobenzene

世界大百科事典 第2版の解説

普通はベンゼンの水素原子を1個だけ塩素原子で置きかえた形の,分子式C6H5Clで表される化合物をいう。広義には,ベンゼンの水素原子を1~6個の塩素原子で置きかえた形の化合物の総称として用いられ,この場合には塩素原子の数によりモノクロロベンゼンC6H5Cl,ジクロロベンゼンC6H4Cl2などと呼ぶ。すべて触媒を用いベンゼンと塩素とを反応させて合成される。いずれも水に不溶,有機溶媒可溶。 モノクロロベンゼンは,融点-45℃,沸点132℃の無色の液体で,アニリンやフェノールの合成原料となる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

無色の液体。化学式 C6H5Cl 鉄を触媒としてベンゼンを塩素を作用させてつくる。溶媒や多くの有機化合物の合成原料として用いる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベンゼン置換体の一つ。古くはクロロベンゾールといわれていた。独特のにおいのする無色の液体。鉄片塩化鉄を触媒として塩素によりベンゼンの水素原子1個を塩素原子で置換することにより合成する。置換塩素化がさらに進むとジクロロベンゼンも生成するが、冷やすと結晶化するので除くことができる。銅を触媒として高温・高圧でアンモニアと反応させるとアニリンを生成し、水酸化ナトリウムと反応させるとフェノールとなる。多くの有機薬品、主要な染料中間体の原料として用いられるほか、溶剤としても利用されている。[谷利陸平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (chlorobenzene) ベンゼンを塩素化したもの。化学式 C6H5Cl 無色の液体。ベンゼンを鉄触媒を用いて塩素ガスと反応させてつくる。フェノール、アニリン、クロルニトロベンゼンなど合成染料の中間体、殺虫剤DDTなどの製造原料、有機溶剤などとして用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

化学辞典 第2版の解説

C6H5Cl(112.56).ベンゼンに鉄触媒を用い,塩素を作用させれば得られる.無色の液体.融点-45.2 ℃,沸点132 ℃.1.066.1.524.エタノール,エーテルに可溶,水に不溶.アニリン,クロロニトロベンゼンなど染料中間体の原料となる.また,溶媒としての用途も多い.LD50 2910 mg/kg(ラット,経口).[CAS 108-90-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報