クーリングオフ(読み)くーりんぐおふ(英語表記)cooling-off

翻訳|cooling-off

デジタル大辞泉 「クーリングオフ」の意味・読み・例文・類語

クーリング‐オフ(cooling-off)

割賦販売訪問販売などによって契約を締結した者が、契約書を受け取ってから一定期日間内ならば申し込みを撤回し、契約を解除しうる制度。→特定商取引法割賦販売法

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共同通信ニュース用語解説 「クーリングオフ」の解説

クーリングオフ

いったん契約を申し込んだり締結したりした後でも、一定期間、申し込みを撤回したり契約を解除したりできる制度。訪問販売や電話勧誘販売などの契約は8日間のクーリングオフが特定商取引法で認められている。契約書面の記載内容に不備がある場合は、所定の期間を過ぎていてもクーリングオフできる可能性がある。消費者庁は、消費者が業者に自宅への訪問を頼んだ場合も、依頼時に高額な費用を支払う意思を示していなければ「訪問販売」となり、クーリングオフできるとしている。

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精選版 日本国語大辞典 「クーリングオフ」の意味・読み・例文・類語

クーリング‐オフ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cooling-off period (「冷却期間」の意)から ) 訪問販売・割賦販売などによって契約を締結した商品、生命保険不動産などにつき、契約後ある期間内であれば解除できること。法律化されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーリングオフ」の意味・わかりやすい解説

クーリング・オフ
くーりんぐおふ
cooling-off

割賦販売や訪問販売(外交販売)などで購入契約をした消費者が、一定期間内なら無条件で契約を取り消すことができる制度。頭を冷やし考え直す期間を置くという意味で、消費者を救済する制度で、1960年代に入って、強引な勧誘による販売トラブルが急増したことへの対策として生まれた。日本では訪問販売法によって、1976年(昭和51)に制度化され、期間は4日間とされた。1988年同法が改正、期間が8日間に延長され、適用対象も商品だけでなく、サービスの提供や施設利用の権利の販売などに拡大された。割賦販売法(1961年制定)にもこの制度があり、期間は当初の4日間から7日間(1984年)、さらに8日間(1988年)に延長されている。1996年(平成8)の訪問販売法改正で、電話による勧誘販売にも適用されるようになり、さらに2000年の改正により、被害の実情にあわせて規制対象が拡大され、法の名称も特定商取引法(正式名称は「特定商取引に関する法律」)と改称された。

 クーリング・オフを行うには書面を用い、期間内に発信すればよい。その際、発信記録などの証拠を残しておくことがたいせつである。

[森本三男]

保険契約のクーリング・オフ制度

一般原則によると、契約の申込みは、その申込みが相手方に到達し効力が生じた後は任意に撤回することはできないものであり、また、契約が成立した後は、これを一方的に解除することはできない。これに対して保険業法は特定商取引法にならってクーリング・オフについて定め、保険契約の申込みをした者または保険契約者は一定の期間または一定条件のもとで保険契約の申込みの撤回または契約の解除を行うことができるとしている(保険業法309条)。クーリング・オフ制度は、販売人の攻撃的な売込みにより心理的な圧迫を受けて冷静さを失って契約の申込みを行いまたは契約を締結した者を保護しようとするものである。もっとも、保険契約の申込みの撤回または保険契約の解除は一定の期間または一定条件のもとでのみ認められている(同法309条1項1号~6号)。

[坂口光男]

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百科事典マイペディア 「クーリングオフ」の意味・わかりやすい解説

クーリング・オフ

割賦販売訪問販売などで,購入契約した消費者が,8日以内(マルチ商法は20日,現物まがい商法は14日)なら無条件で契約をキャンセルできるという制度のこと。ただし,3000円未満の現金取引,自動車,消耗品(すでに使用したもの)は適用外。1973年から実施され,当初は期間が7日以内であったが,その後改正され8日以内となった。また単に商品だけでなく,サービスの提供や施設利用権などにも適用されることになった。
→関連項目消費者契約法宅地建物取引業法通信販売訪問販売等に関する法

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改訂新版 世界大百科事典 「クーリングオフ」の意味・わかりやすい解説

クーリング・オフ
cooling-off

契約時点から一定の期間内なら消費者が一方的に契約を解除できるとする制度。いったん成立した契約は一方的に解消できないが,割賦販売や訪問販売により消費者が被害を被る場合が多いことから,アメリカをはじめとするヨーロッパ各国(とくに北欧)でこの制度が実施されるようになった。アメリカにおいては1968年の消費信用保護法で確立された。日本でも割賦販売法(1973,改正法),訪問販売等に関する法律(1976)などによりこの制度が行われるようになった。
割賦販売
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クーリングオフ」の意味・わかりやすい解説

クーリング・オフ
cooling-off

消費者保護を目的とする制度の一つ。無店舗販売によって,商品売買などの勧誘を受ける消費者は,不安定な購入意思のまま契約の申し込みや締結をするため後日紛争となる場合が少なくない。そのために,販売業者の営業所等以外の場所で,指定商品にかかわる売買契約の申し込みや締結をした消費者は,販売業者より法定事項を記載した書面の交付を受けた日から一定期間内は申し込みの撤回や契約の解除を書面によって行なうことができると法律に定められ保護されている。これをクーリング・オフという。なお,クーリング・オフの期間については,連鎖販売取引 (マルチ商法) の場合は 20日,訪問販売および割賦販売の場合宅地建物取引の場合ともに8日と定められている。また,生命保険の加入契約の場合のように事業者団体の自主規制によって8日と定め実施しているところもある。

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不動産用語辞典 「クーリングオフ」の解説

クーリング・オフ

宅地建物の買受け申し込みや売買契約を締結した後、一定期間内に無条件で申し込みの撤回または契約の解除ができる制度を「クーリング・オフ」といいます。
但し、クーリング・オフが適用されるのは、次の2つの条件を満たしている場合に限ります。
1.業者が売主となる宅地建物の売買契約で取引相手が業者以外の者であること。
2.通常の取引場所(事務所など)以外の場所で申し込みや契約が行われた場合。
なお、クーリング・オフできなくなるのは、次のような場合となります。
業者が申込者等にクーリング・オフできる旨を書面告知してから8日経ったとき、または買主が物件の引渡しを受けて代金の全額を支払ったとき。

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リフォーム用語集 「クーリングオフ」の解説

クーリング・オフ

無条件で申込みの撤回または契約を解除できる法制度。宅地建物取引では、契約書面受領日から8日間と定められている。宅地建物取引業法 第37条の2。

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世界大百科事典(旧版)内のクーリングオフの言及

【解除】より

…また,月賦による売買契約あるいは訪問販売等による売買契約のように消費生活と密接に関連する取引に関しては,消費者保護のために原則として契約成立後も8日以内であれば,消費者側から解除原因なしに解除することができる(割賦販売法4条の3,訪問販売法6条など。クーリング・オフと呼ばれる)。さらに,〈契約自由の原則〉により,契約当事者は,契約成立後も,解除原因がなかったとしても合意さえすれば契約を解除することができる(合意解除)。…

【割賦販売】より

…(1)業者は購入者に対し,価格,代金の支払時期等,契約上の重要な事項をあらかじめ明示し(開示原則),契約が成立した際は,その内容を記載した書面を交付しなければならない。(2)消費者は,契約を締結したり申し込んだりした場合であっても,それが店舗以外の場所においてなされたものであるかぎり,上記の書面を受領し,クーリング・オフ制度が存在することを告げられた後,8日の間はこれを解消しうる。この場合,業者は損害賠償や違約金の支払請求もできない。…

※「クーリングオフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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