訪問販売(読み)ホウモンハンバイ

デジタル大辞泉 「訪問販売」の意味・読み・例文・類語

ほうもん‐はんばい〔ハウモン‐〕【訪問販売】

消費者家庭職場を販売員が訪問して商品を販売する方式特定商取引法で規制されている。→不招請勧誘

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「訪問販売」の意味・読み・例文・類語

ほうもん‐はんばいハウモン‥【訪問販売】

  1. 〘 名詞 〙 化粧品保険などを家庭に直接外交販売員が訪問して勧誘する販売方法。「訪問販売等に関する法律」で規制されている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「訪問販売」の意味・わかりやすい解説

訪問販売 (ほうもんはんばい)

販売員が商品,サンプルパンフレットなどを携帯し,直接消費者の家庭や職場を訪れて商品の購入を勧誘する販売方法である。訪問販売によって販売される商品は,通常,一般の商店では手に入りにくい商品や使用方法に詳しい説明を要する商品である。化粧品,医薬品,一部の医薬部外品など,顧客の状況に合わせてきめ細かな指導がなされ,販売員は定期的に家庭を訪問して回る。日本で古くから行われている富山薬売はこの方面のはしりである。実際に商品を持ち歩かず,パンフレットその他を示して売買契約をするものに,乗用車,ベッド,百科事典などがある。これらの商品は,高額で付加価値が高く持運びに困難な商品であり,多くはメーカーの直接販売や系列の代理店を通してセールスマンによる販売が行われる。また保険や証券預金などの勧誘も外務員による家庭訪問によって行われており,電話回線を利用するマイクロコンピューターが業務の窓口を家庭に持ち込むことを可能にしている。これらのセールスマンによる訪問販売は,消費者の心理的購買プロセスである商品情報の認知,関心,選好確信,購買の一連のプロセスをセールストークによって刺激し,短時間のうちに購買段階に到達するよう説得する。消費者に対してマスコミによる宣伝広告が行われ,事前に認知,関心の段階が喚起されていれば説得はより効果的である。訪問販売は説得の速効性にともなって,しばしばトラブルが発生しがちである。とくに強引な販売と契約内容が不明確であることの2点が問題となり,このため1976年に〈訪問販売等に関する法律(訪問販売法)〉が制定され,クーリング・オフ制度等消費者利益の確保と保護が強化された。
無店舗販売
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「訪問販売」の意味・わかりやすい解説

訪問販売【ほうもんはんばい】

商品の販売員が直接顧客を訪問し,提案,勧誘,説得等の活動を行う販売方法。無店舗販売の一種。伝統的なものに薬売がある。家庭や職場での商品購入による買物費用の節約,流通経費の低減などの長所がある反面,強引な販売・契約によるトラブルが生じやすく,〈訪問販売等に関する法〉(現,特定商取引に関する法律)により,クーリング・オフ制度が認められている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「訪問販売」の意味・わかりやすい解説

訪問販売
ほうもんはんばい
door-to-door sales

陳列販売,見本販売などと並ぶ物品販売の一形態。古くは富山の薬売りで知られる家庭常備薬の販売などの行商が主であったが,第2次世界大戦後,所得向上による購買力の向上から,直接,客と顔を見合す販売法として注目され,自動車,化粧品,各種薬品,書籍,保険,証券などの訪問販売が普及した。百貨店にも高級品を訪問販売するところが出てきた。この販売法の強みは,客が欲しいと思う商品あるいは見本を実際に見せ,説明し,納得ずくで買ってもらえることである。この訪問販売は無店舗販売としても位置づけられ,その設備投資分だけ販売コストは削減されるが,大量のセールスマンが必要とされる。歩合制の給与体系を部分的に導入している企業が多く,人件費圧力を圧縮し,販売能率を高めている。訪問販売では商品力とともにセールス担当者の資質が問われるため,商品知識や販売技術などの社員研修が重要となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

流通用語辞典 「訪問販売」の解説

訪問販売

販売員が消費者やユーザの家庭を直接訪問して商品を販売する方法。訪問地域をあらかじめ選定し顧客リストなどを持って訪問する特定顧客対象の訪問販売、無差別に各家庭を訪問するものがあり、扱う商品の特性によって、どちらかの方法が選択される。消費者やユーザとセールスマンが直接接触し、商品購入のための説得活動ができるといった利点がある。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティング流通用語辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「訪問販売」の意味・わかりやすい解説

訪問販売
ほうもんはんばい

外交販売

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の訪問販売の言及

【訪問販売等に関する法律】より

…訪問販売,通信販売,電話勧誘販売,および連鎖販売について規整する法律。略称,訪問販売法。…

【無店舗販売】より

…商品を常設の店舗で販売せず,それ以外の方法で商品を販売する小売業の総称。カタログ,ダイレクト・メール,テレビや新聞の広告などを利用して,電話や郵便で顧客からの注文を受ける通信販売,セールスマンが商品あるいはサンプル,パンフレットを携帯して戸別に家庭を訪問し,商品を販売する訪問販売,小型トラックやワゴンタイプの車に商品を積み,広場や街角で販売する移動販売,ホテルや公の施設を利用し,不定期に商品を陳列して販売する展示会販売,在庫一掃や行事などとからめ,広い場所を借りてバーゲンセールを行う催事販売,一般家庭に知人や友人を集めて行われる実演販売や紹介販売,人の集まる所に置かれて定期的に商品の供給と代金の回収が行われる自動販売機による販売など,すべて無店舗販売である。生活協同組合や農業協同組合の組合員がグループでまとめて商品を購入する購買事業活動も,実質的に無店舗販売のうちに入れられよう。…

※「訪問販売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

一粒万倍日

一粒の種子をまけば万倍になって実るという意味から,種まき,貸付け,仕入れ,投資などを行えば利益が多いとされる日。正月は丑(うし),午(うま)の日,2月は寅(とら),酉(とり)の日というように月によって...

一粒万倍日の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android