グッドデザイン賞(読み)グッドデザインショウ(英語表記)Good Design Award

デジタル大辞泉 「グッドデザイン賞」の意味・読み・例文・類語

グッドデザイン‐しょう〔‐シヤウ〕【グッドデザイン賞】

公益財団法人日本デザイン振興会主催するデザイン評価推奨制度。生活と産業の質の向上に貢献するデザインを選出。受賞作品はGマークを表示できる。昭和32年(1957)に通商産業省(現経済産業省)が「グッドデザイン商品選定制度」(通称、Gマーク制度)として創設。当初は工業製品を対象としていたが領域を広げ、建築・サービス・広告・ビジネスモデル・研究開発など人が生み出すあらゆるものや活動を対象とする。平成10年(1998)の制度民営化に伴い現名称に変更された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グッドデザイン賞」の意味・わかりやすい解説

グッドデザイン賞
ぐっどでざいんしょう
Good Design Award

「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、暮らしや産業、さらに社会全体をより豊かなものへと導くことを目的とする賞。日本の日用品や家電、自動車などのインダストリアル・デザイン、住宅や建築物、ビジネスモデル、ソフトウェア、地域づくりのコミュニケーションなど、あらゆる領域の優れたデザインに与えられる。公益財団法人日本デザイン振興会が主催。受賞したデザインにはGマークをつけることが認められる。毎年、数千件の応募のなかから、70名あまりの専門家の投票により、1000件前後を選定し、表彰している。さらに、グッドデザイン賞対象から特別賞が選ばれる。特別賞には、もっとも優れたデザインに贈られるグッドデザイン大賞、時代的な課題を解決した質の高いデザインに贈られるグッドデザイン金賞のほか、ものづくりデザイン賞、地域づくりデザイン賞、未来づくりデザイン賞がある。また、一般などから推薦された候補のなかから、長年にわたり愛され、支持されてきた優れたデザインにロングライフデザイン賞が与えられる。なお、Gマークは、グラフィックデザイナー亀倉雄策(かめくらゆうさく)によってデザインされたものである。

 グッドデザイン賞は、日本独自のデザインを推奨するため、1957年(昭和32)に通商産業省(現、経済産業省)が創設したグッドデザイン商品選定制度(通称、Gマーク制度)に基づく顕彰に始まる。以降、1998年(平成10)に行政改革の一環として運営が民営化され、現在の名称に変更された。2012年(平成24)までの55年間で、受賞は約4万件に上っている。これまでの受賞作には、東芝の電気釜RC-10K(1958年受賞)、ソニーのテレビKV-1375(1977年受賞)、1961年発売のキッコーマンしょうゆのしょうゆ卓上びん(1993年受賞)、テルモのインスリン用注射針ナノパス33(2005年受賞)などがある。1990年代以降は、使用者との対話があるインタラクションデザイン、使用時に差別のないユニバーサルデザイン、地球環境を考慮したエコロジーデザインが積極的に評価されてきた。2014年には広島県と愛媛県が共同開催する観光振興イベント「瀬戸内しまのわ2014」、東日本大震災の津波による甚大な被害を受けた陸前高田市(岩手県)での、津波の到達地点に桜を植樹し、後世に伝承しようとするまちづくりの特定非営利活動法人「桜ライン311」などが受賞した。いわゆる「社会のデザイン」が評価の対象とされており、デザインというものの審査基準の移り変わりを示している。

[編集部]

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知恵蔵mini 「グッドデザイン賞」の解説

グッドデザイン賞

公益財団法人日本デザイン振興会が主催の年に1度行われる、デザインが優れた物事に贈られる賞。1957年に通商産業省が創設した「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を前身とし、民営化により1998年より現在の名称となった。日本で唯一の総合的デザイン評価・推奨の取り組みであり、工業製品からビジネスモデル、イベント活動など幅広いジャンルを対象とする。毎年の授賞点数は700~1300点程度で、2012年現在、総計3万以上が受賞している。2次審査は東京ビッグサイトで行われ、審査終了後には会場を一般公開する。デザイナーや建築家などの専門家が投票により大賞を選出し、グッドデザイン各賞を受賞した製品などはGマークを表示することができる。

(2012-10-04)

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「グッドデザイン賞」の解説

グッドデザインしょう【グッドデザイン賞】

デザインのすぐれた工業製品などに贈られる賞。主催は財団法人日本産業デザイン振興会。応募されたものごとの中から総合的に審査し選定する。受賞したデザインはGマークを表示することができる。1957(昭和32)年に通商産業省(現経済産業省)が創設した「グッドデザイン商品選定制度」(Gマーク制度)から続くもの。後に対象が広がり、現在はサービス・ソフトウェア・ビジネスモデルなども対象となっている。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

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