グプタ美術

山川 世界史小辞典 改訂新版 「グプタ美術」の解説

グプタ美術(グプタびじゅつ)

古代インドの美術様式。グプタ朝や関連するヴァーカータカ朝などの統治下での繁栄を背景に,4~7世紀の北インドと中西部インドで発展した。洗練された技法による優美な造形と全体の調和の重視を特徴とする。代表的なものとしては,マトゥラーおよびサールナートの仏像,ヴィディシャー出土のジャイナ教聖者(ティールタンカラ)像や近郊ウダヤギリ石窟のヴァラーハ神像,アジャンター石窟の壁画などがあげられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グプタ美術」の意味・わかりやすい解説

グプタ美術
グプタびじゅつ
Gupta art

インドのグプタ朝 (320~600頃) の隆盛を背景に生れた古代インド最盛期の美術。クシャン朝時代には美術活動の中心ガンダーラマトゥラ地方に限られていたが,この時代にはいくつかの中心地をもちながらも北インド全域に彫像美術が栄えた。仏教美術はマトゥラとサールナートにおいて,洗練された手法で仏陀の内面性を表現した古典的なグプタ様式を確立し,東アジアおよび東南アジアに多大の影響を与えた。ヒンドゥー教美術もこの時代に活発化し,ウダヤギリ,デオガリなどに優品がみられる。なおグプタ文化の影響を受けた西インドでは石窟寺院の第2の盛期を現出し,アジャンタ石窟にすぐれた壁画を残した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「グプタ美術」の解説

グプタ美術
グプタびじゅつ

古代インドのグプタ朝時代の仏教美術
石窟寺院とそれを飾る壁画,彫刻などが中心で,ガンダーラ美術的要素を消化して純インド的な美を創造し,セイロンジャワにまで影響がおよんだ。アジャンター・エローラ・サーンチーの石窟寺院やマトゥラーの仏像彫刻は有名。

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