インドネシアのガムランで用いられる短冊形の青銅の音板を並べた打楽器。調律した共鳴管を持つため,持続性のある深い音色と豊かな音楽表現力をもつ。ジャワ島,バリ島とその周辺地域に12,13世紀ころから存在し,現在に至るまで最も重要な楽器の一つとなっている。ワヤン(影絵芝居)の伴奏には,もっぱらスレンドロ音階のグンデルが用いられてきた。一方,この楽器は大編成のガムランに不可欠の旋律楽器であり,音板数,音域の異なる数種を組み合わせて用いる。一般的に低音域のものは音板の数が少なく,ゆっくりとした基本旋律を奏し,高音域になるほど,速く細かな変奏旋律を奏する。バリ島のスマル・プバリンガン,ゴング・クビヤル(合奏形態)は,グンデル類の可能性を最大限に追求したガムランといえよう。ワヤンの場合とは対照的に,ここで用いられるのはペロッグ音階である。
執筆者:田村 史子
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…金属製の旋律打楽器を中心とする大編成の器楽合奏ガムランが,この地域では最も特徴的である。この種のガムランは音の大きなゴング類や太鼓類を中心とする楽器群(戦闘や宗教儀礼用)と,グンデル,ガンバンなどやわらかい音色の鍵盤楽器群(祖霊供養儀礼用)とを結びつけて,17,18世紀の頃,ジャワとバリの王宮でそれぞれ完成されたものである。声楽に関してはジャワ語の定型詩を一定の朗吟旋律にのせて歌うことが盛んである。…
…複数の男子がおのおの音高の違う楽器を持ってかけ合いで打ち鳴らして用いる。インドネシアのジャワ島とバリ島では,共鳴管を持つもの(グンデル),共鳴管を持たないもの(サロン)の両者を包括する青銅製打楽器の総称である。この種の楽器は,旋律打楽器を中心に編成される器楽合奏ガムランの骨格をなす。…
※「グンデル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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