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ケチャ Ketjak

翻訳|Ketjak

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ケチャ
Ketjak

インドネシアのバリ島に伝わる舞踊劇。呪術的な駆除祭儀のサンヤンと青年少女が掛合で歌うジャンゲルの男性合唱から発達した。 1933年ドイツの画家ウォルター・スピーシズノが『ラーマーヤナ』物語を挿入し劇的に構成したものが有名。およそ 150人の男性が上半身裸で燭台を囲み,すわって円陣をつくる。4種のリズム・パターンで歌われ,楽器は用いない。ラーマ王の妻シーターの誘拐からラーマを援護する猿軍と,悪鬼ラバナ軍との戦いを,「チャッ,ケチャッ,ケチャッ,ケチャ」と合唱し,リズムとともに上半身,両手で身ぶり表現をする。バリ島の村々にはさまざまなケチャが伝承されている。

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デジタル大辞泉の解説

ケチャ(〈インドネシア〉kecak)

インドネシアのバリ島民俗芸能。円陣を組んだ男性の身振りを伴う合唱に合わせて、ラーマーヤナなどを題材とする舞踊劇を行う。猿をまねた激しい叫び声と複雑なリズムが特徴。

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百科事典マイペディアの解説

ケチャ

インドネシア,バリの男声合唱劇。その前身は宗教的なトランス舞踊のサンヒャンsanghyangで,トランスを促すためにガムラン・スアラgamelan suara(声のガムラン)という男声合唱が行われ,激しい音や身振りで悪霊を封じ込めようとした。
→関連項目バリ[島]

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世界大百科事典 第2版の解説

ケチャ【kecak】

インドネシアのバリ島に見られる身体演技を伴った男性合唱。チャッ,チュ,チなどの意味のない音を素材にしているところから,この名が付けられた。ケを略してチャッcakと呼ぶ場合もある。100~200人が五つ六つのグループに分かれてそれぞれ違ったリズムを唱え,全体としては複雑で迫力のある響きとなる。1人がシュルル・プン・プン・プン(ガムランのゴング擬声語)と4拍子を刻んで速度や強弱を統制するが,指揮者はいない。

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大辞林 第三版の解説

ケチャ【kechak】

インドネシア、バリ島の民俗芸能。円陣を組んだ男性の、忘我状態に至る単純な身振り・発声に合わせて、ラーマーヤナなどを題材とする舞踊芸を行うもの。治癒儀礼に起源をもつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケチャ
けちゃ
kecak

インドネシアのバリ島で行われる芸能。本来、疫病平癒や魔除(よ)けを目的とする憑依(ひょうい)舞踊サンヤンsanghyangにおける男声合唱を意味していたが、1930年代にオランダ人がこの男声合唱をインドの叙事詩『ラーマーヤナ』を題材とする舞踊とあわせ、今日一般に知られているケチャの形にした。猿の軍団に見立てられた200人前後の男性が円形に座り、その中央で舞踊が行われる。男性コーラスは手や体を動かしながら、なかば忘我状態になってガムランのさまざまな楽器を擬音的に模倣する。その身ぶりやことばの多くは悪霊を追い払うための呪文(じゅもん)からきているといわれる。チャ、チュ、チなどの音を多用し、グループ別に異なるリズムを入れ子式に、いわゆるホケット(旋律に休符を挟んで短い断片にする技法)のように歌う。観光客向けのケチャも含めて、バリ島南部のいくつかの村で上演されている。わが国では、芸能山城(やましろ)組の演奏がよく知られている。[卜田隆嗣]

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