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ゲーデルの不完全性定理 げーでるのふかんぜんせいていりG(o)del incompleteness theorem

4件 の用語解説(ゲーデルの不完全性定理の意味・用語解説を検索)

知恵蔵の解説

ゲーデルの不完全性定理

「公理体系が無矛盾であれば、ある論理式で、それを証明することもその否定を証明することも不能なものが存在する」。ゲーデル(K.G(o)del)が証明したこの命題を、不完全性定理という。証明できない論理式があるというこの主張は、公理に基づいてすべての数学を構成できるとする形式主義に、大きな衝撃を与えた。

(桂利行 東京大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

ゲーデル‐の‐ふかんぜんせいていり〔‐フクワンゼンセイテイリ〕【ゲーデルの不完全性定理】

1931年、オーストリア出身の数学者・論理学者ゲーデルが証明した数学基礎論における重要な定理。自然数論を含む公理系無矛盾性をもつならば、真偽を決定できない命題が必ず存在するという第一不完全性定理と、公理系自身の無矛盾性を公理系内で証明することができないという第二不完全性定理がある。

出典|小学館
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法則の辞典の解説

ゲーデルの不完全性定理【Gödel's incompleteness theorem】

K を自然数の初等的性質が論理式によって記述できる論理体系であるとする.このとき K で証明できる自然数に関する論理式がすべて正しい論理式であるなら,自然数に関する論理式で K では証明できないものが存在する.

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ゲーデルの不完全性定理
げーでるのふかんぜんせいていり

数学で用いる論理を含み、自然数の理論が展開でき、その公理系、推論規則を実際に与えることができるような形式的体系では、その体系が無矛盾であれば、肯定も否定も証明できない(決定不能)ような命題(その体系で形式化された論理式)がある、という定理である。ゲーデルによって証明された(1931)。ゲーデルは、形式的体系で用いる記号として自然数を採用し、「論理式」「証明」といった概念を数論の概念に直し、「定理である」「無矛盾である」といった命題を数論の命題にし、決定不能な命題Aを構成するきわめて一般的な手法によって定理を証明した。この手法は、ペアノの自然数論、ツェルメロ‐フレンケルの集合論など、知られているほとんどの形式的体系に適用できる。さらに、もとの形式的体系に、このAあるいはAの否定を公理として加えれば、同じ手法で、拡張された体系で決定不能なA′が構成される。また、この数論の命題Aは、形式化されない数学では、数論的に正しい命題であることがわかり、数学の体系の形式化の限界を示すものといえる。命題Aを、「その形式的体系から矛盾が証明できない」、すなわち「その形式的体系は無矛盾である」という。同様に決定不能な命題につくりかえることができる。これから、自然数論を含む数学の形式的体系の無矛盾は、その形式的体系のなかでは証明されないことになり、こうした体系の無矛盾性の証明の困難さを示している。[西村敏男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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