コダーイ(読み)こだーい(英語表記)Kodály Zoltán

デジタル大辞泉 「コダーイ」の意味・読み・例文・類語

コダーイ(Kodály Zoltán)

[1882~1967]ハンガリー作曲家・民族音楽学者・教育家バルトークとともに、マジャール(ハンガリー)民謡収集研究尽力作品に「ハーリ=ヤーノシュ」など。

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精選版 日本国語大辞典 「コダーイ」の意味・読み・例文・類語

コダーイ

(Kodály Zoltán ━ゾルターン) ハンガリーの作曲家、民族音楽学者。ハンガリー(マジャール)民謡を収集、研究し、バルトークとともに国民音楽の確立貢献代表作は「ハンガリー詩篇」「ハーリ‐ヤーノシュ」「ガランタ舞曲」など。(一八八二‐一九六七

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コダーイ」の意味・わかりやすい解説

コダーイ
こだーい
Kodály Zoltán
(1882―1967)

ハンガリーの作曲家、民族音楽学者、教育家。12月16日ケチケメートに生まれる。ピアノや弦楽器を学ぶとともにロマ(かつてはジプシーとよばれた)の民謡やカトリック教会の音楽に親しんだのち、ブダペスト音楽院に入学、ケスラーに作曲を師事した。1905年ごろから真のハンガリー民謡である農民音楽に関心を抱き、音楽院の同門で1歳年長のバルトークとともに民謡の採集・調査を開始。同時期に知ったドビュッシーの音楽の影響を加えて、民俗音楽に根ざした独自の語法を開拓していった。1923年ブダペスト市の50年祭のために作曲した『ハンガリー詩篇(しへん)』が大成功を収め、世界的な名声を獲得。1907年から母校で教え、ナチズムの時代も国内にとどまって、第二次世界大戦後ハンガリー音楽界の最長老として多くの要職を務め、圧倒的な尊敬を集めた。並び称されることの多いバルトークとは対照的に、コダーイはけっして急進的に走らず、古典的で明快な作風をみせ、『ハンガリー詩篇』や『ミサ・ブレビス』(1944)など対位法的書法による声楽作品に傑作を残した。ほかに『ハーリ・ヤーノシュ』(1925~27)などの舞台作品や管弦楽曲『ガランタ舞曲』(1933)も名高い。また民謡研究の重要な著作多数があるほか、民謡に基づく音楽教育の面で大きな功績を残している。67年3月6日ブダペストで没した。

[益山典子]

『Z・コダーイ著、関鼎訳『ハンガリーの民俗音楽』(1971・音楽之友社)』『L・エウセ著、谷本一之訳『コダーイ・ゾルターン――生涯と作品』(1974・全音楽譜出版社)』『K・フォライ、E・セーニ著、羽仁協子・谷本一之訳『コダーイ・システムとは何か』(1974・全音楽譜出版社)』『コダーイ著、中川弘一郎編・訳『コダーイ・ゾルターンの教育思想と実践』(1980・全音楽譜出版社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コダーイ」の意味・わかりやすい解説

コダーイ
Kodály Zoltán

[生]1882.12.16. ケチケメート
[没]1967.3.6. ブダペスト
ハンガリーの作曲家,音楽学者。 1904年ブダペスト音楽院を卒業。 07年同音楽院の教授に任命され,41年まで在職。 1906年頃から,バルトークとともに,マジャールの民謡の採集を盛んに行い,多くの研究論文や民謡集を出版。 51年以後出された『ハンガリー民謡大観』は2人の貴重な研究成果。作風は,ドビュッシーの印象主義的手法に強く影響されると同時に,マジャール民謡の研究の影響も加わり,独自の作風を形成。ブダペスト市五十年祭記念の委嘱作品である『ハンガリー詩篇』 (1923) は彼の傑作の一つ。 1945年「ハンガリー音楽協会」再建を指導,46~49年ハンガリー科学アカデミー総裁となる。主要作品は喜歌劇『ハーリ・ヤーノシュ』 (26) ,『ガランタ舞曲』 (33) ,『ミサ・ブレビス』 (50) など。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「コダーイ」の解説

コダーイ

ハンガリーの作曲家。民族音楽学者や教育家としても名を馳せた。コダーイの業績は、作曲、マジャール(ハンガリー)民謡の研究、収集した民謡に基づく国民的な音楽教育の体系化の創案という3つの分野で顕著である ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

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