1960年代のジャズをリードしたアメリカの黒人ジャズ・サックス奏者。1955年秋,人気コンボ,マイルス・デービス五重奏団でデビューするまでまったく無名のプレーヤーであった。57年をセロニアス・モンク四重奏団ですごし,再びマイルスに復帰。59年話題作《ジャイアント・ステップス》をつくり,まもなく独立して四重奏団をつくり,力作を発表した。それまではテナー・サックスを吹いたが,ソプラノ・サックスも手がけ,この楽器を新しい花形楽器とした。以後死ぬまで,サックスによる表現の限界に挑み,インド哲学にも傾倒し,その精神的な生活態度とともにジャズ界の尊敬を集めた。66年夏,死の1年前に来日公演をおこない,体力を消耗させながら1曲の演奏に1時間を使い,献身的な熱演で聴く者を圧倒した。代表作に《至上の愛》《ライブ・イン・ジャパン》などがある。
執筆者:油井 正一
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アメリカのジャズ・サックス(テナーおよびソプラノ)奏者。ノース・カロライナ州生まれ。19歳でプロ入りし、1955年マイルス・デービスのグループに参加。60年から自身のグループを率いて活躍。ビートの細分化やモードを用いた奏法に創造の努力を続け、前衛ジャズの新たな道を開いて多くの奏者に圧倒的な影響を及ぼした。晩年の演奏は高い精神性を感じさせた。
[青木 啓]
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