ラテン語のモドゥスmodusに由来し,方法,様式,形式などを意味する。今日では服装についても使われるようになり,ア・ラ・モードà la modeといえば流行の様式のことを指すようになった。英語のファッションとほとんど同義である。また服装についての新しい型を発表することを,フランス語ではコレクションというのに対し,英語ではファッション・ショーといい,日本でもファッションの語が一般に言いならわされている。モードに流行の語義が含まれはじめたのは,イタリアでは15世紀,フランスでは16世紀,イギリスでは17世紀からとされている。服装の歴史のうえで,15世紀から16世紀はルネサンスの思潮や地中海貿易の拡大などによって,イタリアのモードがフランスをはじめ他国に大きな影響を与えた時代であった。続く17~18世紀はフランスの宮廷文化の下で独自のモードが形づくられ,パリの宮廷モードはヨーロッパ諸国の中心を占めるようになる。これら貴族社会のモードの伝統を受けながら,近代的でより広範囲の産業にまで広めていったのが19世紀フランスにあらわれたオート・クチュールのデザイナーたちであった。限られた階級のモードは,彼らによってしだいに一般化され,とくに第2次大戦後には世界中に広まっていった。
執筆者:山浦 澄子
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…フランス語のfaçonからきていることばで,もののやり方を意味していた。フランスではモードmodeということばを使っている。服のつくり方,着方,その流行といったものをあらわすようになるのは16世紀以後で,ルネサンス期から,服装についての関心が高まったことを示している。…
…ラテン語のモドゥスmodusに由来し,方法,様式,形式などを意味する。今日では服装についても使われるようになり,ア・ラ・モードà la modeといえば流行の様式のことを指すようになった。英語のファッションとほとんど同義である。また服装についての新しい型を発表することを,フランス語ではコレクションというのに対し,英語ではファッション・ショーといい,日本でもファッションの語が一般に言いならわされている。…
…フランス語のfaçonからきていることばで,もののやり方を意味していた。フランスではモードmodeということばを使っている。服のつくり方,着方,その流行といったものをあらわすようになるのは16世紀以後で,ルネサンス期から,服装についての関心が高まったことを示している。…
…また50年には繊維産業の復活でギンガム,エバーグレーズなど新しい服地が生まれ,51年には国産のナイロン・ストッキングが売り出された。50年代からフランスのモード界との交流が盛んになりはじめ,日本にも紹介され,ファッション・ショーの開催,そしてファッション・モデルが誕生する。また《赤い靴》や《麗しのサブリナ》など映画のファッションがとり入れられ流行した。…
※「モード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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