ビート(英語表記)beet
mangold
Beta vulgaris L.

デジタル大辞泉 「ビート」の意味・読み・例文・類語

ビート(beat)

水泳で、水を足で打つこと。クロールのばた足など。
音波のうなり。
音楽で、拍子の一打ち。拍。特にポピュラー音楽で、アクセントをつけたリズム。また、そのリズム感
[類語]拍子音頭調子音調音律はく律動乗りリズムテンポ調べ

ビート(〈オランダ〉biet/〈英〉beet)

サトウダイコンの別名。
カエンサイの別名。

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精選版 日本国語大辞典 「ビート」の意味・読み・例文・類語

ビート

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] beat )
  2. 水泳で、足で水をうつ動作のこと。ばた足。
    1. [初出の実例]「板片を持ってビート(足で水をたたく練習)をやりながら」(出典:プールサイド小景(1954)〈庄野潤三〉)
  3. フェンシングで、相手の剣を鋭く打って、攻撃ラインから外す打撃のこと。フランス語でバットマンともいう。
  4. スポーツの試合で、相手を打ち負かすこと。
  5. 音楽で、拍子。特に、ポピュラー音楽で、強いアクセントがついたリズム。「エイトビート」「ダウンビート」など。〔アルス新語辞典(1930)〕
  6. 音響上の唸(うな)りのこと。振動数の近い二つの音波が同時に進行するときに起こる。

ビート

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] biet [英語] beet ) さとう大根。甜菜(てんさい)。《 季語・秋 》 〔万国新語大辞典(1935)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ビート」の意味・わかりやすい解説

ビート
beet
mangold
Beta vulgaris L.

アカザ科の一・二年草。地ぎわに密生する根出葉は30~60cmの葉柄があり,卵形ないし長楕円形。2年目の夏に花茎を伸ばして,高さ80~120cmになる。雌雄異株で,黄緑色の小花が数個ずつ集まって,全体は大きな円錐花序をつくる。果実には金平糖状の突起があり,中に2~6個の種子が入っている。開花した株は夏の終りまでには枯死する。根は円錐形に肥大し太さ直径10~20cmとなり,両側面に縦列になってひげ根が出る。根の外皮の色は紅,黄,灰白色など。根を輪切りにすると,維管束が輪状に並び,それが柔組織を隔てて同心円状に配列している。この輪は根が生長するにつれて増え,冬までに8輪ほどになる。

 ヨーロッパ南部地中海沿岸地方原産で,すでに紀元前から野生品が薬用として利用されたという。野菜としての利用はローマ時代からみられるが,17世紀ころからはヨーロッパ北部にも広まり,野菜および飼料用に普及した。現在ドイツ,フランス,デンマークなどに栽培が多い。日本には江戸時代初期に渡来したが,普及しなかった。現在おもに北海道で栽培されているが,これは明治以降あらためて導入した品種である。もともとビートの根はやや甘く,糖液が含まれるが,この糖含量を18世紀末からドイツで育種によって高めることによって作り出されたものがテンサイ(サトウダイコン)である。また,もっぱら葉を野菜として食べるために改良され変種に分化したものがフダンソウであり,根も地上部も真紅の特徴を野菜として賞用されて変種に独立したものがカエンサイであると考えられる。ビートの根は貯蔵して冬期間の家畜の多汁質飼料として利用され,地上部の葉も飼料とされる。北海道では4月下旬~5月に播種(はしゆ)するが,最近は育苗して移植する栽培法が普及している。収穫は10~11月。冷涼な気候を好むが,暖地でも栽培できる。カエンサイは根を輪切りにしてゆで,酢に浸すと濃い紅色になり,料理の彩りによい。甘みがありサラダに好まれる。
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百科事典マイペディア 「ビート」の意味・わかりやすい解説

ビート

1950年代,ニューヨーク,サンフランシスコを中心に興った,既成の社会体制とそこに安住する中産階級的な価値観に反抗し,人間性の解放を求めた生活運動。あるいは広く当時の時代思潮をさす。文学では,ギンズバーグケラワックらが外界の混沌(こんとん)と自己の無力感の認識の下に,性や犯罪などを描き,その端緒の一つとなった。西洋の合理主義に対する不信,あるいはファッションなど風俗のレベルで,以後米国だけでなく,ヨーロッパや日本の文化にも深い影響を残した。→ヒッピー
→関連項目サンフランシスコスナイダーバローズブコウスキーミラー

ビート

テーブルビートとも。南欧原産のアカザ科の一〜二年草。根出葉は有柄で長楕円状卵形。初夏,高さ1mほどの花茎を出し,黄緑色の小さな花を多数つける。根は多肉で,球形,紡錘形など,皮は紅,だいだい黄,帯褐紫色など,肉は紅,白,灰色など品種により異なる。横断面に圏紋のあるものが多い。ロシア料理ボルシチに不可欠で,またゆでて肉料理の添えものとしたり,酢に漬けてサラダとする。フダンソウテンサイと同じ種に属し,日本ではテンサイをさすこともある。
→関連項目飼料作物ロシア料理

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビート」の意味・わかりやすい解説

ビート(音響学用語)
びーと
beat

音響学用語としては、わずかに異なる振動数の二音が同時に鳴ったときに聞こえる「うなり」をいう。すなわち、異なる振動波の相互干渉によって生まれる振幅の周期的変化である。ピアノの調律や箏(こと)の調弦のときには、とくにこのビートを除去するように細心の注意を払う。しかし実際の演奏では、ジャズピアノのクラスター奏法や、箏の合せ爪(づめ)(押し手により隣接する二弦を同音にして同時に弾く)でビート効果が聞かれる例もある。三味線、琵琶(びわ)、ビーナのサワリはビートの複合効果とみることができる。また、バリ島のペニョロクという音理念のように、対(つい)になった金属鍵盤(けんばん)楽器を厳密にずらして調律し、ゆらめくような効果を初めから意図する文化もある。

 拍と同義語としてのビートの場合、ジャズのダウンビート、アップビートや2(ツー)ビート(ラテンディキシー)、4(フォー)ビート(スウィング)、8(エイト)ビート(ロック)、16ビート(新しいポップス)のように次々とつくりだされるリズム枠に対して使われる。

[山口 修]


ビート(サトウダイコン)
びーと
beet

サトウダイコンsugar beetの略称。また、サトウダイコンの原作物である飼料用ビートや、カエンサイtable beetもビートと称する。いずれも母種はBeta vulgaris L.(アカザ科〈APG分類:ヒユ科〉の二年草)である。

[星川清親 2021年2月17日]

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デジタル大辞泉プラス 「ビート」の解説

ビート〔オートバイ〕

ホンダ(本田技研工業)が1983年から製造・販売したスクータータイプのオートバイ。総排気量49cc(原動機付自転車)。エンジン形式は水冷2ストローク単気筒。50ccクラスのスクーターで世界初の水冷2ストロークエンジンを搭載。

ビート〔自動車〕

ホンダ(本田技研工業)が1991年から1996年まで製造、販売していた軽自動車。2ドアのオープンカー。

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栄養・生化学辞典 「ビート」の解説

ビート

 (1) [Beta vulgaris (rubra group)].サトウダイコン,テンサイともいうナデシコ目アカザ科トウヂシャ属の二年草.(2) その根.食用,砂糖の製造などに用いる.

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音楽用語ダス 「ビート」の解説

ビート[beat]

拍のこと。一定の感覚で刻まれる拍を基準としてテンポが設定され、小節が割り振られる。拍は小節内に配置され、1拍目・2拍目……などと呼ばれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビート」の意味・わかりやすい解説

ビート

「サトウダイコン(砂糖大根)」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のビートの言及

【ビート・ジェネレーション】より

…1950年代のアメリカに起こったビート運動になんらかのかかわりをもった世代(ビートニクbeatnik)の総称。ビート運動は,抑圧的で非人間的な機能をもつ社会体制と,そこに安住しようとするスクエアsquareすなわち保守的で中産階級的な価値観とに反逆し,人間性の無条件な解放のために積極的に貧困に甘んじ,原始的なコミューン生活を行おうとする一種の生活運動である。…

【オーディオ】より

…これを改善したテープをローノイズテープlow noise tapeという。 ビートbeat周波数がわずかに異なる二つの正弦波が重ね合わされたときに生ずる振幅の周期的変化で,うなりといって可聴帯域では二つの周波数の差の周波数の音として聞こえる。 VUメーターVU meterプログラム音のレベルを監視するための指示計器であり,聴感上の音量に近い指示をするように平均2乗形に近い特性をもつ。…

【テンサイ(甜菜)】より

…サトウダイコン,ビートとも呼ばれる(イラスト)。サトウキビと並ぶ重要な糖料作物で,サトウキビの育たない温帯,冷涼地で栽培される。…

※「ビート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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