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コールドウェル コールドウェルCaldwell, Erskine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コールドウェル
Caldwell, Erskine

[生]1903.12.17. ジョージア,ホワイトオーク
[没]1987.4.11. アリゾナ
アメリカの小説家。バージニア大学中退後,プロ・フットボール選手などさまざまな職業を経て作家生活に入った。 1929年『私生児』 The Bastardを発表,ジョージア州の奥地を背景とした『タバコ・ロード』 Tobacco Road (1932) ではプア・ホワイトの悲惨な生活をきわめてグロテスクな筆致で描き,名声を得た。同一の手法を用いた『神の小さな土地』 God's Little Acre (33) はわいせつ文書として起訴されたが無罪となった。以後『巡回牧師』 The Journeyman (35) ,『汚れた土地』 Tragic Ground (44) など南部の暗い面を扱った十数編の長編で,30年代の代表的作家に数えられた。一方,『アメリカの土地』 American Earth (31) ,『昇る朝日に跪け』 Kneel to the Rising Sun and Other Stories (35) など数巻の短編集があり,作品としての完成度は長編よりむしろ高い。ほかに,長編『七月の騒ぎ』 Trouble in July (40) ,『夏の最後の夜』 The Last Night of Summer (63) ,『アネット』 Annette (73) ,短編集『男と女』 Men and Women (61) ,童話『わが家の鹿』 The Deer at Our House (66) ,回想記『深南部』 Deep South (68) など作品多数。

コールドウェル
Caldwell

アメリカ合衆国,アイダホ州南西部の都市。ボイジー河畔にあり,1883年オレゴンショートライン鉄道の建設に伴って設置された。地名も鉄道会社の社主の名 A.コールドウェルにちなむ。南部にボイジー灌漑計画で造成されたローウェル湖 (ディアフラット貯水池) がある。各種農産物の加工,集散地としての機能をもつ。 91年創立のアイダホカレッジがある。人口1万 8400 (1990) 。

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百科事典マイペディアの解説

コールドウェル

米国の作家。放浪好きの牧師の子で,種々のな職業につき,《私生児》(1929年)に次いで発表した《タバコ・ロード》(1932年)で名声を博する。《神の小さな土地》(1933年),《悲惨な地域》(1944年)など多くの長編は,南部のプア・ホワイト(白人貧民)のどん底生活の中の欲望を描いて,社会矛盾の批判となっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

コールドウェル【Erskine Preston Caldwell】

1903‐87
アメリカの小説家。ジョージア州ホワイト・オークに牧師の子として生まれ,バージニア大学中退後,雑多な職業を経て作家生活に入る。深南部Deep Southの貧乏白人や黒人の悲惨な生活を描き,強烈な社会意識とグロテスクなユーモアで1930年代に名声を得た。ジョージアの貧農を描いた《タバコ・ロード》(1932)はカークランドJack Kirklandによって劇化され,ブロードウェーで7年半の長期上演記録を作り,《神の小さな土地God’s Little Acre》(1933)は大胆な性描写で発禁騒ぎを起こし話題を呼んだが,それ以後乱作気味で同工異曲の通俗的作品が目だち評価が低下した。

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大辞林 第三版の解説

コールドウェル【Erskine Caldwell】

1903~1987) アメリカの小説家。南部の貧しい農民の生活を赤裸々に描く。代表作「タバコ-ロード」「神の小さな土地」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コールドウェル
こーるどうぇる
Erskine Preston Caldwell
(1903―1987)

アメリカの小説家。南部ジョージア州の僻村(へきそん)に生まれる。父が巡回牧師だったために少年期から各地を放浪、自立後も三つの大学を転々とし、どれも中退した。大学時代から創作を始め、やがてこの作家の方向を決定的にした二つの長編『タバコ・ロード』(1932)、『神の小さな土地』(1933)を相次いで発表し、一躍名声を博した。いずれも南部の白人貧農の赤裸々な姿――無知、怠惰(たいだ)、狡猾(こうかつ)、物欲、セックスなどをユーモラスに描いているが、その根底には貧困のもたらす悲惨な生活を告発する社会批判がある。同じ深南部を背景にした『巡回牧師』(1935)、『七月の騒動』(1940)も、いかさま牧師や黒人リンチ事件を通して、貧乏白人の狂態ぶりを戯画化している。ほかの多数の作品も南部の貧農や人種問題に関心を示したものが多い。第二次世界大戦中、一時マルクス主義へ傾斜した時期もあり、写真家の前夫人バーク・ホワイトとの共著によるルポルタージュには、反ファシズムの意識が濃厚である。また短編集には『昇る朝日に跪(ひざまず)く』(1935)、『ジョージア・ボーイ』(1943)をはじめ秀作が多い。『経験とはこんなもの』(1951)は作家経歴を述べた自伝である。[関口 功]
『橋本福夫訳『神に捧げた土地』(角川文庫) ▽J・W・ビーチ他著、加藤修訳・編『E・コールドウェル論集』(1977・英潮社出版)』

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世界大百科事典内のコールドウェルの言及

【アメリカ文学】より

… 29年の大恐慌を境に,頽廃的ムードの中にも繁栄していた1920年代の社会は冷たく暗い幻滅感と危機感をたたえた社会へと変わり,社会的関心を第一とする作品が目につくようになる。ノリス的自然主義者スタインベックは《怒りの葡萄》(1939)で農民の窮境を叙事詩的に語り,コールドウェルは南部の貧しい白人を,J.T.ファレルは都会の不良少年を,黒人作家R.ライトは抑圧された黒人の姿を,それぞれなまなましく描いた。またT.ウルフやH.ミラーは自伝的作品によって原始的生命をもった個性への復帰を示した。…

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