ゴッドファーザー(読み)ごっどふぁーざー(英語表記)The Godfather

デジタル大辞泉 「ゴッドファーザー」の意味・読み・例文・類語

ゴッドファーザー(godfather)

洗礼名名付け親うち、男のほう。男の後見人
アメリカの秘密組織マフィアボス。「経済界ゴッドファーザー存在

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精選版 日本国語大辞典 「ゴッドファーザー」の意味・読み・例文・類語

ゴッド‐ファーザー

〘名〙 (godfather)
男の子の洗礼の時の、男の名づけ親。受洗者の神に対する約束保証人となる。教父。〔外来語辞典(1914)〕
② アメリカの犯罪組織マフィアの首領のこと。ドン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴッドファーザー」の意味・わかりやすい解説

ゴッドファーザー
ごっどふぁーざー
The Godfather

アメリカ映画。1972年作品。フランシス・フォード・コッポラ監督。マフィア・ファミリー興亡を苛烈(かれつ)に、かつ家族愛の視点からロマンティックにも描き、空前のヒットを記録した新時代のギャング映画。マフィアのドン「ゴッドファーザー」(マーロン・ブランド)の末っ子マイケル(アル・パチーノAl Pacino、1940― )は、ひとり堅気を志していたが、銃弾に倒れた父親や兄を見て立ち上がり、激しい抗争の末、2代目「ゴッドファーザー」として強大な権力の座につく。マリオ・プーゾMario Puzo(1920―1999)の同名ベストセラー小説をプーゾとコッポラが脚色。クロスカッティング(二つ以上の場面を交互につなぐ編集技法)を効果的に多用した力強い話術、懐古的な暗くくすんだ色調で統一したゴードン・ウィリスGordon Willis(1931―2014)の撮影、哀愁を帯びたニーノ・ロータの音楽が作品を盛り上げた。アカデミー作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランドは受賞を拒否)、脚色賞を受賞。2年後に公開された『ゴッドファーザーPARTⅡ』はさらにスケールを拡大、二つの異なる時代にまたがるファミリーの萌芽(ほうが)と崩壊とを並行して描き、アカデミー賞作品賞、監督賞をはじめ前作を上回る6部門での受賞となった。1990年には物語を締めくくる『ゴッドファーザー PARTⅢ』がつくられた。

[宮本高晴]

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改訂新版 世界大百科事典 「ゴッドファーザー」の意味・わかりやすい解説

ゴッドファーザー
godfather

子供の洗礼・堅信礼に際して,実親でない成人信者が代親(代父母)として儀礼に立ち会うしきたりがカトリックにある。ゴッドファーザーとは男の代親をさす。一般に男の代親は男子の受礼者に,女の代親は女子につく。上記の儀礼を全うすることで子供は精神的に生まれかわり,成長すると信じられている。代親の慣行は教会の公認する関係である。代親には子どもの精神上の保護・教導が義務づけられ,子どもは尊敬・恭順を代親に示す精神的親子関係(パドリナスゴ)が成立する。南欧やラテン・アメリカのカトリックの農村地帯では,社会的に上位にいる実力者を代親に選ぶ傾向がかなり顕著に認められ,そこでは,〈親分・子分〉の性格が強まる。すなわち,精神的庇護という本来の意味は薄れ,政治・経済上の援助と協力を内容とした世俗的関係へと変貌していく。多くの子どもの代親となることは男にとって名誉とされ,社会的地位の上昇に足がかりの一つとなる。
擬制的親族関係 →コンパドラスゴ
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デジタル大辞泉プラス 「ゴッドファーザー」の解説

ゴッドファーザー

1972年製作のアメリカ映画。原題《The Godfather》。マリオ・プーゾの同名マフィア小説を映画化。監督:フランシス・フォード・コッポラ、出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ダイアン・キートン、ロバート・デュバルほか。第45回米国アカデミー賞作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランド/辞退)、脚色賞受賞。第30回米国ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)受賞。

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世界大百科事典(旧版)内のゴッドファーザーの言及

【代父母】より

…現在では幼児洗礼には代父母も立ち会って右手を置くが,信者の親が証言し,その信仰告白を行うことによって洗礼が授けられる(カトリック儀式書《幼児洗礼式》1975,《成人のキリスト教入信式》1976)。現行の教会法典によれば,16歳以上のカトリック信者は,代父godfatherか代母godmotherを1名,または双方立てることができる。なお,カトリック教会以外の教会にも類似の習慣が見られる。…

※「ゴッドファーザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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